男性不妊

不妊症の原因は、WHO(世界保健機関)の調査によると、41%が女性のみ、24%が男女ともに、24%が男性のみ、11%が原因不明となっています。
この調査により、4組に1組の割合で男性に原因があるという驚くべき結果でした。
男性不妊の原因
❶ 造精機能障害(男性不妊の約80~90%)
  • 突発性造精機能障害(原因不明)約50~70%
  • 精索精脈瘤
  • 高プロラクチン血症
  • ムンプス精巣炎
  • 染色体異常 など
❷ 精路通過障害(男性不妊の約5~10%)
  • 先天性精管欠損症 生まれつき精管がない
  • 炎症後精路閉塞 感染症や前立腺炎などで精路閉塞
  • 副性器の発達障害 精巣上体、前立腺、射精管の発育障害により、閉塞を起こす
❸ 精子機能障害
  • 造精機能に問題はないが、炎症や免疫反応により精子の機能が落ち、受精まで至らない
  • 副性器の炎症 前立腺炎、精嚢炎、精巣上体炎、など生殖器に炎症が起こると、精子運動率が低下する
  • 自己免疫疾患
  1. 性欲の低下(ストレス、うつ、男性ホルモンの低下など)
  2. ED(勃起障害)
  3. 逆行性射精
生活習慣で気をつけること
熱いお風呂や、長風呂
サウナ
きついジーンズやブリーフ
精子は、熱に弱く睾丸の温度が高くなると精子形成に悪い影響があると言われています。
精子が育つ陰嚢には、最適な温度があります。
陰嚢が体の外に出ているのも、精子は高温に弱いからと言われています。
サウナに入る前と、後で精子の検査をしたところ、入浴後5時間たっても入る前の状態には、回復しないことがわかりました。
また、きついジーンズや下着も陰嚢を圧迫したり、放熱しにくいため長時間はくことは避けたほうがよいでしょう。
喫煙(百害あって一利なし)
大量の飲酒
タバコは、精子の奇形率が高まり、運動率が低下するといわれます。
また、大量の飲酒は精機能障害をおこし、睾丸のテストステロンの生成を遅らせると言われ、性欲減退にもつながります。

また、精子の生存時間は、72時間、卵子の生存時間は24時間といわれていますので排卵日前にタイミングをとるほうがいいでしょう。

性交渉の回数に関する最新情報
頻回に射精させることによって、精子の運動率が改善し生存精子の割合も増え、正常な形態を有する割合も上昇すると報告されている。
卵巣機能の改善も認められる。以上のことを考慮すると、タイミングをとるのは排卵日に3~4日続けてとることがいいようです。
基礎体温表を見せて頂くと、排卵日にあわせて一度だけ、と言う方が非常に多いことです。
タイミングを計ってというのはわかりますが、これではなかなか自然妊娠は難しいと思います。
一番大切なことは、セックスライフを楽しむことです。
男性不妊のポイント
精子が少ない(腎精不足)
《漢方》海精宝、イーパオ、二至丹など
運動率が悪い(腎気不足、瘀血痰湿)
《漢方》参馬補腎丸、冠元顆粒、温胆湯など
奇形率が高い(腎精不足、湿熱下注)
《漢方》海精宝、竜胆瀉肝湯など
使用する漢方は、症状や体質により異なります。お身体の状態をよく伺い、お選びいたします。