21Apr
「生理痛がひどくなってきた」「婦人科でチョコレート嚢腫と診断された」「でも手術やホルモン治療は避けたい…」そんなお悩みを抱えていませんか？
卵巣嚢腫は、卵巣に液体や粘液、脂肪などがたまることで腫れる病気で、種類によっては不妊の原因にもなることがあります。西洋医学では手術やピルによるホルモン療法が主な治療法ですが、体への負担や副作用に不安を抱える方も少なくありません。
東洋医学では、卵巣嚢腫の原因を「お血（血流の停滞）」や「痰湿（体内にたまった余分な水分や老廃物）」と捉え、漢方薬で体質から整えるアプローチを行います。本記事では、卵巣嚢腫に対する漢方的な考え方や、実際に改善された事例、日常生活で気をつけたいポイントまで詳しく解説します。
Contents
1.卵巣囊腫に悩む方へ、漢方薬による改善という選択
卵巣嚢腫とは
卵巣の中に腫瘍が出来て、その中に液体や、粘液や、脂肪などがたまって卵巣が腫れる病気です。小さいうちは自覚症状や違和感を感じませんが、大きくなると、腹痛や生理痛、腰痛、頻尿などの症状が現れてきます。
卵巣嚢腫の中には、不妊症の原因になるものもあります。手術によって卵巣機能の低下を伴うものもある為、手術をする場合は、タイミングが大切です。
卵巣嚢腫の種類
漿液性嚢腫・・・卵巣から分泌される透明の液体がたまって生じたもの。
粘液性嚢腫・・・ゼラチン状の粘液がたまって生じるもの。閉経後の女性によくみられる。
皮様性嚢腫・・・胚細胞から発生すると言われ、嚢腫の中に髪の毛、歯、皮脂、脂肪などが入っている。
チョコレート嚢腫・・・卵巣内で子宮内膜が発生し発育したもの。生理のたびに出血し悪化する。
卵巣嚢腫の中のチョコレート嚢腫は女性ホルモンの影響で、悪化します。
チョコレート嚢腫は不妊症の原因になる事もあり、病院やクリニックでは、ピルなどのホルモン剤での治療や手術をすすめられますが、ホルモン剤を服用したくない、手術はしたくない、といったお悩みの方も多いのではないでしょうか。
2.卵巣嚢腫の原因とは？漢方薬の視点とアプローチ
東洋医学では、 身体の構成要素を 「気」「血」「水」に分けて考えます。
中医学的に考えると卵巣嚢腫の原因は「お血」と「痰湿」が原因です。「お血」とは血流の悪化と血液の停滞、微小循環障害です。
「痰湿」はたまった水や、よどんだ水です。痰湿は腫れやできもの、しこりを形成しやすくなります。
「お血」が慢性化することで、血液の粘稠度が増大し、凝固の亢進、血栓、癒着、繊維化がおこり、加えて「痰湿が」血腫などの様々な病態となり、卵巣嚢腫が形成されます。
「お血」の改善の為の漢方薬は活血剤、
「痰湿」の改善の為の漢方薬は化痰剤です。
これらの漢方薬で「お血」と「痰湿」を改善することで、卵巣嚢腫を改善していきます。
3.卵巣嚢腫に使われる漢方薬
折衝飲（せっしょういん）
活血剤と補血剤から構成されているため、血流を改善し、血液を補う事で、子宮内膜症の改善をはかる処方です。鎮痛効果の高い生薬の配合もあり、生理痛が強い方にお勧めします。
芎帰調血飲第一加減（きゅうきちょうけついんだいいちかげん）
活血剤と補血剤、理気剤から構成されています。そのため血流が悪く、ストレスや、PMSなどがある方に良いです。子宮収縮のはたらきから、子宮内や、骨盤内のお血の排出、悪露排出に効果があります。
桃核承気湯（とうかくじょうきとう）
お血により、のぼせやすいタイプで、イライラや精神不安が強く生理痛、頭痛、肩こりがある方に適しています。
温経湯（うんけいとう）
身体を温める散寒剤と補血剤で構成されているため、冷えによる血行不良を改善し月経痛を和らげます。
加味逍遙散（かみしょうようさん）
ストレスや自律神経の乱れを整え、ホルモンバランスを調整します。ストレスにより、血流が悪化している方に適しています。卵巣嚢腫では他の活血剤と組み合わせて服用する場合が多いです。
※これらの処方を組み合わせて服用いただくこともあります。服用される場合は、専門の薬剤師にご相談ください。
4.卵巣嚢腫の改善事例と体験談
卵巣嚢腫改善事例：31歳
発症時期：20歳過ぎから生理痛がひどくなってきた。婦人科で受診すると、子宮内膜症、卵巣チョコレート嚢腫と診断された。26歳になり結婚して不妊治療を始めたが、5年経過しても妊娠に至らず。生理痛もどんどんひどくなり、排卵痛、性交痛もするようになった。痛み止めを飲んでも効かない時も多い。痛みがある事から妊活に前向きになれず、なごみ堂にご相談に来られた。
漢方薬服用後経過：漢方薬を服用を開始してから約1か月で、生理が来た。痛みは服用前よりかなり軽減された。生理痛は、腰が重いくらいで、痛み止めを飲まなくても大丈夫だった。性交痛が無くなり、妊活に前向きになれたことが嬉しいとの事。
漢方薬服用開始から2か月で自然妊娠されました。
卵巣嚢腫改善事例：35歳
30歳を過ぎたころから、生理痛と排卵痛がひどくなってきた。婦人科に行くと3センチの卵巣チョコレート嚢腫があると言われた。手術をすると、卵巣機能が低下する可能性がある為、病院からは少し様子をみましょうといわれた。現在未婚の為、妊娠希望はないが、今後結婚し、妊娠を希望する可能性もあるので、手術はしたくないと、ご相談に来られた。
漢方薬を服用いただき、早い段階で生理痛や排卵痛がなくなった。漢方薬服用開始から8か月で、3センチの卵巣嚢腫が1.6センチになっていた。痛みも改善され、しばらくは漢方薬を継続して服用いただく事になった。
5.卵巣嚢腫に役立つ生活習慣の整え方
卵巣嚢腫は「お血」と「痰湿」が原因です。「お血」つまり、血流障害を改善するには、身体を冷やさないことが大切です。粘性のあるものは、冷えるとドロドロして流れが悪くなるため、血液も冷えることで、「お血」がすすみます。なるべく身体を温める食事や飲み物、ショウガやニンニク、根菜類をとるようにしましょう。また甘いものや、糖質、乳製品の過剰摂取は「痰湿」につながります。なるべく控えるようにしましょう。
また血流を改善するには、適度に運動をして、筋肉を鍛える事も大事です。
最近はパソコンを使ってのデスクワークという方が多く、家電も便利になり最低限の家事で済むようになってきました。そのため筋肉量が昔に比べて減っている女性が多いように思います。筋肉があまりにも減ってしまうと、血管を刺激することができず、血流が停滞してしまいます。筋力低下はむくみやすくなり、冷えの原因にもなります。ウォーキングなどの運動を取り入れて、適度に筋力を鍛えて、身体を冷やさないようにして、血流を良くするように心がけましょう。
6.まとめ
卵巣嚢腫でお悩みの方が多くいらっしゃると思います。
手術やホルモン剤などの治療をすすめられている方も多いと思います。
手術や、ホルモン剤などを使っての治療は、一時的に卵巣嚢腫が小さくなっても、体質が変わらない限り、再発やその他の病気の原因となる可能性もあります。
漢方薬は毎日自宅で服用することで、卵巣嚢腫やそれに伴う生理痛などの症状を改善をすることができますし、「お血」や「痰湿」の改善はその他の病気の予防にもつながります。
漢方薬を効果的に服用するには、体質に合った漢方薬を服用することが大切です。
漢方専門の薬剤師に相談しながら服用することをお勧めします。
なごみ堂薬局では、個人の症状や体質、今までの経緯や、妊娠を希望する、あるいは希望しないなど、状況にあわせて、漢方薬をお選びします。
遠方の方は、お電話で詳しく症状や体質などをお伺いしできれば、全国へ配送できます。
卵巣嚢腫でお悩みの方は、是非一度ご相談ください。
関連記事
 |  |
