4Nov
「めまいやむくみが続く…」と悩んでいる方はいませんか?この不快な症状の原因は、体内に余分な水分がたまっている「水滞」にあるかもしれません。水滞は体に冷えやむくみを引き起こし、さらに消化不良やだるさなど、体調不良の原因にもなります。漢方薬は、こうした体内の水分バランスを整え、根本的な体質改善に役立ちます。今回は、めまいとむくみの原因や、それぞれの症状に適した漢方薬、日常生活でできる予防方法について詳しくご紹介します。ぜひ、根本からの改善を目指し、心地よい毎日を取り戻しましょう。
Contents
1. めまいやむくみに悩んでいませんか?漢方で体質改善を目指そう
めまいがあってむくみやすいという方は、めまいの原因が水滞によるものの可能性があります。体の中に余分な水分がたまること、または偏在することを、漢方用語では「水滞」と言います。水滞になると、身体がむくみやすくなるだけでなく、身体の機能低下がおこり、冷えやすくなったり、胃腸の調子が悪くなったり、めまいがおきやすくなります。
身体に余剰の水分があると、身体はむくみ、冷えやすくなります。それによって体の機能が低下して、免疫力が落ちたり、だるさや疲れの原因になります。余剰水分が、消化管内にあると、消化酵素が働きにくくなり消化不良になります。また腸内に水がたまると、糞便が固まらず軟便や下痢になります。
また余剰水分が内耳の三半規管にたまると、平衡感覚が障害されて、めまいやふらつきの原因になります。
このように余剰水分が身体のいろいろなところに偏在することで、体調不良が生じます。
漢方薬はこの余剰水分、つまり「水滞」を改善することで、めまいやむくみや、その他冷えや胃腸障害を改善することができます。
2. 漢方の考え方:めまいとむくみを改善する「気・血・水」のバランス調整
東洋医学では、 身体の構成要素を 「気」「血」「水」に分けて考えます。 この 「気」「血」「水」のバランスが整っていることで身体の健康状態を保っています。
「気」は 体の生命エネルギー のようなもの。
「血」や「水」 を巡らしたり体を温めたり 色々な外邪(ウイルスや病気)といったものから守る力です。気の不足を「気虚」と言います。気虚になると、「水」の流れが悪くなりむくみやすくなったり、冷えを感じたり、疲れやすくなったり、免疫力が低下し細菌感染などにかかりやすくなります。気がうまく流れず滞った様態を「気滞」と言います。気滞になるとイライラしやすくなったり、交感神経が優位となる為、血管が収縮し血流悪化につながります。
「血」は身体を滋潤したり栄養素を運んだり、 ホルモンのバランスに影響します。
「血」の流れが悪い状態を「お血」と言い、「血」が不足した状態を「血虚」と言います。お血により、むくみも生じやすくなります。
「水」は 血液以外の液体を表します。
「水」が滞った状態を「水滞」や「痰湿」といいます。水が身体の中で停滞してしまう事で、むくみやすくなり、そしてたまった水が三半規管に過剰にたまる事で、めまいが発生します。
このように気血水のバランスがスムーズにとれなくなると、冷えを生じやすくなり、めまいをおこす原因になります。
「お血」「血虚」「気虚」「気滞」「水滞」などの体質を「証」といい、その証により、漢方薬での改善処方が決まります。
「お血」の改善の漢方薬は「活血剤」
「血虚」の改善の漢方薬は「補血剤」
「気虚」の改善の漢方薬は「補気剤」
「気滞」の改善の漢方薬は「理気剤」
「水滞」の改善の漢方薬「利水剤」です。
漢方の基本的な理論である「気・血・水」のバランスを整えることでめまいやむくみ、そしてその他の症状を改善することができ、めまいやむくみのおこらない身体に体質改善していく事ができます。
3. めまいとむくみに効く漢方薬:症状別のおすすめ処方
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
内耳の水分バランスの乱れによる回転性のめまいとむくみに効果的です。胃腸が弱く、身体が冷えやすく水を身体にため込みやすい方に適しています。
五苓散(ごれいさん)
水分代謝の乱れが原因のむくみとめまいに効果的です。余分な水分を尿から排出し、体内の水分バランスを整えます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血行不良や冷えが原因のむくみやめまいに適した処方です。特に貧血や生理前、生理中のめまい、冷えを伴う場合に効果的です。
真武湯(しんぶとう)
身体が冷えやすく、むくみやすい、足元がふわふわするといった症状の方に適しています。高齢で機能低下による、めまいやむくみに適しています。
4. 漢方薬を使っためまいとむくみの治療を始める際のポイント
自分の体質や症状に合った漢方薬を選ぶためには、漢方専門の薬剤師に相談することが重要です。前述のように、自分の証がどのタイプなのかを見極め、その改善の為の漢方薬を服用することで、効果的にめまいやむくみを改善できます。
漢方薬の効果が現れるまでの期間は個人差があります。例えばめまいが発症して、一か月の方と、何年も経過している方では、改善するまでの期間は違ってきます。効果の出方が早い方だと、漢方薬服用開始から、一週間くらいで改善されます。しかしそこで服用をやめてしまったら、まためまいを起こす可能性があります。体質改善を目指して長期間の服用がお勧めです。
漢方薬は生薬からできており、副作用が少なく、長期間服用しても安心です。穏やかに身体に作用して、身体の内側から、徐々に体質を改善していきます。
5. めまいとむくみを予防するための生活習慣と漢方の相乗効果
漢方薬を服用するとともに体を温める習慣を取り入れることで、さらにめまい改善の効果が高まります。温かい食べ物や飲み物をとる。冷たい物の飲食は極力避ける。入浴はシャワーで済ませず、湯船にゆっくりつかるようにしましょう。
デスクワークなどで、身体を動かさない生活が日常化すると、筋力が低下し、むくみやすくなり、身体に水をためやすくなり、めまいの原因となります。なるべく日常生活の中で、身体を動かす機会を増やすようにしましょう。
規則正しい生活リズムが身体のバランスを保ち、自律神経を安定させるために重要です。十分な睡眠をとるようにしましょう。また適度な運動は血行を良くするため、冷えやめまいの改善につながります。
ストレス管理も冷えの改善に重要です。十分な睡眠は自律神経を整えるのに効果があります。またリラックスできる方法、例えば、瞑想や深呼吸ヨガなどを取り入れるようにしましょう。
6. めまいとむくみを漢方で根本から改善しよう
漢方薬は根本からの体質改善につながります。しっかりと体質改善することで、むくみやめまいの再発防止になります。
生薬から作られる漢方薬は、副作用が少なく、長期間安心して服用できます。
自分の体質に合った漢方薬を服用するためには、漢方薬専門の薬剤師に相談し、効果的にめまいやむくみの改善をしましょう。
7.まとめ
漢方を活用することで、めまいやむくみを根本から改善し、体質の向上を図ることが可能です。体内の水分バランスを整え、気・血・水の調和を保つことで、これらの不快な症状の再発を防ぐことができます。生活習慣の改善と漢方薬の併用で、健康的な体を手に入れ、日々の活力を取り戻しましょう。体質改善を目指すには、専門家のアドバイスを受け、自分に合った漢方を選ぶことが重要です。長期的な視点で体を整えることで、冷えやだるさ、消化不良などの不調も改善され、健やかな毎日を過ごせるようになるでしょう。