11Nov
めまいに悩んでいる方は多いですが、その原因は人それぞれです。自律神経の乱れやストレス、血行不良、内耳の異常など、複数の要因が絡み合っていることもあります。症状に合わせた漢方を使い分けることで、根本からの体質改善を目指せます。今回は、めまいの原因別に適した漢方薬の種類や選び方についてご紹介します。
Contents
1. はじめに:めまいに悩む方へ、漢方の使い分けで効果的な治療を
めまいの多くは、原因が多岐にわたるため、適切な治療が難しい症状のひとつです。
めまいの原因は、
◯内耳の三半規管の障害によるもの
◯脳の問題によるもの
◯血圧や心臓に問題がある為におこるもの
◯自律神経失調症によるもの
◯ホルモンバランスの変動によるもの
など数えきれないほどの要因があり、またこれらの原因が重複して、めまいがおこっている場合もあります。
いってみれば10人いれば10人それぞれの原因が違っており、オーダーメイドの治療や改善方法が必要とも言えます。
個々の体質や症状により、漢方薬の使い分けが必要になってきます。
2. めまいの原因に合わせた漢方の使い分けが重要な理由
めまいの一般的な原因として、自律神経の乱れ、ストレス、血行不良、内耳の異常(メニエール病など)、貧血などがあげられます。
例えば、自律神経の乱れやストレスが原因であれば、漢方薬ではそれを改善するために、疏肝解鬱剤(そかんかいうつざい)や理気剤を使います。
血行不良が原因であればお血を改善する活血剤を使います。
内耳の異常であれば増えすぎたリンパ液の改善に、利水剤や化痰剤を使います。
貧血によるものであれば、補血剤を使います。
このように、めまいの原因は人によって違うため、「めまい」という症状にたいして、めまいにはこの処方といった選び方は、効果が出ないこともあるため注意が必要です。
3. めまいの種類別に漢方を使い分ける方法
ストレスや自律神経の乱れが原因のめまい
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):心身のバランスを整え、ストレスによる自律神経の乱れを改善します。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):ストレスや緊張によるめまいに有効で、心を落ち着かせる効果があります。
血行不良や貧血が原因のめまい
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血行促進や血液補充に効果があり、冷えや貧血を伴うめまいに適しています。生理中や生理前にめまいが頻発する方に効果があります。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血の巡りを改善し、特に女性の冷え性や月経不順に伴うめまいに効果的です。
芎帰調血飲第一加減(きゆうきちょうけついんだいいちかげん):産後のホルモンバランスを調整し、めまいや、貧血に効果があります。
内耳の異常が原因のめまい(メニエール病など)
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):水分の偏りや耳の圧迫感を和らげ、内耳の異常によるめまいに使用します。
真武湯(しんぶとう):水分の偏りと、身体の冷えにより、機能低下が原因でおこるめまいが対象です。足元がふわふわするといった症状に効果的です。
4. 漢方薬を使い分ける際のポイント:自分に合った処方を選ぶために
自分の症状に合った漢方薬を選ぶためには、漢方薬の知識を持つ漢方薬専門の薬剤師に相談することが大切です。
体質や症状に応じて、同じめまいでも処方が異なる場合があるため、自己判断で選ばずに専門的な助言を受けることが重要です。
漢方薬の使用期間や効果が現れるまでの時間は個人差がある為、一概に言えませんが、早い方ですと、服用開始から1週間くらいで改善が見られます。しかし良くなったからと言ってすぐにやめてしまうと、再発してしまう可能性があります。めまいがおこらない体質に改善するためには、4~6か月は継続して服用しましょう。また服用中に、症状の変化が見られたら、それに応じて処方を変更するなどの対応が必要です。専門の薬剤師に相談しながら、継続的に服用することをお勧めします。
5. めまいに漢方を使い分けることで得られるメリット
漢方薬を適切に使い分けることで、根本的な体質改善ができます。
植物性の生薬で作られた漢方薬は、副作用が少なく、体に負担をかけずに長期間安心して服用できます。
めまいの症状を根本から改善することで、再発防止や身体全体の健康維持にもつながります。
6. 漢方を使った生活習慣改善の提案:めまいを防ぐためのポイント
漢方薬と合わせて、生活習慣の改善も重要です。
姿勢改善:めまいの原因となる首や肩の緊張を和らげるために、正しい姿勢を保つことが大切です。特にデスクワークやスマホ使用時の姿勢に注意しましょう。
ストレッチや運動:血行を良くするための簡単なストレッチや運動を定期的にしましょう。特に肩や首をほぐすことで、血行不良によるめまいを予防できます。
ストレス管理:ストレスが自律神経の乱れを引き起こし、めまいの原因となるため、瞑想や深呼吸、ヨガなどの自分でできる、リラクゼーションを見つけ、定期的に行うようにしましょう。
7. まとめ:めまいに適した漢方の使い分けで、根本的な改善を目指す
前述のように、めまい改善の為の漢方薬は、人によって違います。めまいの原因、自分の症状や体質に合った漢方薬を服用するようにしましょう。
生薬から作られる漢方薬は、副作用が少なく、長期間の使用でも安心です。体質改善し、めまいの出ない体質を目指しましょう。
漢方薬は自分で判断せず、漢方薬専門の薬剤師に相談し、服用を開始しましょう。また服用の経過の中で、症状などが変化したら、処方を変えるなどの対応が必要な場合があります。随時専門の薬剤師に相談しながら、漢方薬を服用しましょう。