28Jul
毎月の生理が近づくたびに、憂うつな気持ちになっていませんか?
生理痛はお腹や腰の痛みだけでなく、頭痛、吐き気、下痢などの症状を伴い、日常生活や学業、仕事に支障をきたすこともあります。
市販の鎮痛剤やピルで痛みをしのぐ方も多いですが、「薬を飲む量が増えてきた」「副作用が心配」「そもそも根本的に良くしたい」という声も多く寄せられています。
東洋医学では、「お血」や「冷え」などによる血流障害を、生理痛の大きな要因として捉えます。漢方薬は、これらの体質的な根本原因にアプローチし、痛みのない身体へと導く力があります。
本記事では、生理痛の原因と漢方の考え方、処方例、改善事例、そして始め方まで、わかりやすくご紹介します。
1.毎月の生理が憂鬱なあなたへ、漢方薬で生理痛のない身体へ体質改善
毎月の生理痛に悩まされている方は多いのではないでしょうか。
生理痛とは生理前から生理中にかけておこる、お腹や腰の痛みの事を言いますが、頭痛や胃の痛み、吐き気、下痢などを伴う場合もあります。
日常生活に支障をきたす程の強い痛みを伴う場合は月経困難症と呼ばれ、以下のように分類されます。
器質性月経困難症:子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などの病気が起因している
機能性月経困難症:子宮などに特別な要因が見当たらないもの
器質性月経困難症は、原因となる子宮筋腫や内膜症が初潮から年月が経過して発症するため、25歳以上の方に多く、機能性月経困難症は10代・20代の若い年齢層の方に多いという傾向があります。
対処法としては、解熱鎮痛剤の服用や、ピルの服用などがありますが、「鎮痛剤の服用の回数や、服用量が増えてしまう」「ピルなどのホルモン剤への抵抗」から、服用を躊躇する方もいらっしゃいます。
中医学では、生理痛や子宮筋腫、子宮内膜症を血流障害である「お血」や「冷え」が原因として考え、「お血」や「冷え」を改善し、生理痛のない身体へと導きます。

2.生理痛の原因と漢方の考え方を知ろう
※中医学では身体の構成要素を大きく「気」「血」「水」に分けて考えます。

中医学では「気」「血」「水」のバランスが健康の基本とされており、生理痛においてはこのバランスの乱れが大きく影響していると考えられています。
特に、「気」は全身にエネルギーを巡らせる働きを担っており、気が不足すると、血を動かす力が弱まります。これを「気虚(ききょ)」と呼びます。気虚の状態では、血流が滞りやすくなり、結果として「お血」が生じやすくなります。「お血」とは「血」の流れが悪い状態、や粘丁度の増大(ドロドロとした状態)をいいます。
また、現代人に多いストレス過多の状態では、肝(かん)の働きが乱れやすく、「気滞(きたい)」という状態になります。これは、気の巡りが悪くなることで、イライラや抑うつ感、張るような生理痛、胸の張りといった症状が出やすくなる体質です。
つまり、生理痛は単なる局所的な問題ではなく、体全体のエネルギーバランス、特に「気」「血」「水」の調和が崩れることで引き起こされると考えられています。だからこそ、漢方では「痛み」そのものだけに対処するのではなく、「なぜその痛みが起きているのか」という根本の原因に目を向け、全身の状態を見ながら改善を目指します。
「身体の声に耳を傾けることが改善の第一歩」
生理痛があるということは、体が何かしらの不調をサインとして送っているということ。例えば、「冷え」や「むくみ」、「生理周期の乱れ」など、普段見過ごしがちな症状にも目を向けることで、体質の根本改善に繋がります。
また、現代は食生活の乱れや運動不足、夜更かし、スマホのブルーライトなど、さまざまな要因がホルモンバランスや自律神経に影響を与えています。こうした生活習慣の見直しも、漢方の効果をより引き出すために大切な視点です。
3.生理痛に効果を発揮する漢方薬
折衝飲(せっしょういん)
瘀血タイプ。血流が悪く、下腹部が刺すように痛い。腰痛や腹痛など、下半身の痛みが強い方に適した処方になります。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
ストレス・イライラ・精神不安がある人向け。PMSなど、生理前から、頭痛、腰痛、腹痛などが強い方におすすめです。
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
冷え・貧血・ふらつき・疲れやすい人。生理痛がじわじわ重いタイプが該当します。
温経湯(うんけいとう)
冷えや血の不足、月経不順に用いられます。
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
長引く生理痛、月経不順、産後の不調にも効果的です。
爽月宝(そうげつほう)
子宮筋腫や子宮内膜症など器質性月経困難症の方に、原因の子宮筋腫などの改善も目的とした方に適しています。
※これらの処方を組み合わせて服用いただく場合もあります。
服用の際は漢方薬専門の薬剤師にご相談ください。

4.生理痛が改善したひとの声
13歳
初潮が12歳で始まり、腹痛や吐き気がする。生理が長引き、10日間続く時もある。
生理以外も腹痛がすることもある。1か月のうち20日くらい痛みがある。
学校生活は痛みがあるため、部活に入ることができない。痛みがひどいときは、学校にいけない。体育も休みがち。
鎮痛剤を服用して痛みを抑えているが、最近は効きにくくなっている気がする。今後のことを考えると、鎮痛剤にあまり頼りすぎるのもよくないと考え、お母さんと一緒にご相談に来られた。
漢方薬を服用開始して、一か月経過し、吐き気や痛みはほとんどなくなった。学校を休むこともなくなり、体育の授業も通常に受けることができている。
39歳
30歳過ぎから生理が重くなり、生理痛がひどくなってきた。月経血の塊も増えてきた。
生理のたびに2日間、1日3回鎮痛剤を服用する。
結婚して7年経過し、3年前より体外受精などの不妊治療を何度もチャレンジしているが、妊娠には至らず。
病院より、漢方薬も服用してみたらどうですかと、提案されてご相談に来られた。
生理痛がひどいことと、卵巣機能低下のため、活血剤や補腎剤を服用いただいた。
生理痛は漢方薬服用から1か月でよくなった。服用から2か月経過で、自然妊娠されました。
お血体質が改善された事で、生理痛が改善され、それとともに妊娠しやすい体質になり、自然妊娠したと思われます。
5.効果的な漢方薬の始め方、注意点
生理痛で漢方薬を服用する場合、自分の体質にあった漢方薬を服用することが大切です。
痛みが腹痛だけなのか、腰痛や頭痛、吐き気などを伴うのか、また身体が冷えやすい、胃腸が弱いなど、体質によって効果のある漢方薬が違ってきます。漢方薬専門の薬剤師に症状や体質を詳しく伝え、自分に適した漢方薬を服用するようにしましょう。
6.生理痛の我慢から改善へ
お客様とお話ししていると、生理痛はあって当たり前、生理痛は我慢するか、薬を飲んでやりすごすことが普通になってる方がいらっしゃいます。本来、生理痛は無いのが当たり前です。お血体質を放置したまま、解熱鎮痛剤を長期服用すると、解熱のはたらきから身体が冷えやすくなり、低体温や冷え性を助長し、生理痛がさらにひどくなる悪循環になってしまいます。
漢方薬はお血を改善することで血流をよくし、冷えの改善にもつながり、生理痛もよくなります。
本来の身体を取り戻すことで、痛みを改善できます。
さらに、漢方薬の魅力は、「一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの処方が可能な点」にあります。同じ生理痛でも、原因や体質は人それぞれ異なります。冷えが強い方もいれば、ストレスが影響している方もいます。身体が発するサインを丁寧に受け止め、根本から整えていくことで、「毎月が憂うつ」から「毎月を快適に過ごせる」身体へと変わることができます。今の不調を我慢するのではなく、未来の自分のために早めにケアを始めることが大切です。まずはお気軽にご相談ください。
7.まとめ
漢方薬は生薬からできており、長期服用しても副作用の心配が少なく安心して服用いただけます。
生理痛改善の漢方薬は、お血の改善が基本となるため、血流がよくなり、冷えや、むくみ、疲れ、代謝の低下の改善につながります。また血流がよくなることで、今後の病気の予防にもなります。
漢方薬は自宅で毎日服用することで、体質改善でき、生理痛のない身体に導きます。生理痛は体からの大切なサインです。毎月のつらさを我慢せず、体質から見直すことで、より健やかな毎日を手に入れることができます。まずは一歩、相談から始めてみましょう。
遠方でご来店が難しいようでしたら、お電話で詳しくお話を伺い、ご自宅に漢方薬で発送することもできます。
生理痛でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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