昨今増えている不妊症。
その不妊症の原因の1つとして「冷え」が関係しているとも言われています。
今回の記事では、不妊症の原因の一つとも言われる「冷え」とその改善方法について解説します。
不妊症とは
不妊症とは、避妊を行わずに1年以上性生活を送っていても、妊娠に至らないことを「不妊症」といいます。
不妊症は、女性だけではなく、男性が原因となっていることもあります。
不妊はなぜ起こる?
なぜ、不妊症は起こるのでしょうか?
原因の1つにホルモンバランスの異常があげられます。
女性は毎月月経が起こります。
その際に、生理痛が酷かったり、血の塊が出たり、生理が来なかったり、出血が長引くなどの生理不順はホルモンバランスの異常とも考えられています。
また、情緒不安定になったり、頭痛や腹痛などの生理前症候群(PMS)が酷く現れたりすることもホルモンバランスの異常による症状の1つです。
ホルモンバランスの異常はストレスや疲労により、体内の気が巡らなくなる「気滞(きたい)」も原因の1つとして考えられています。
また、瘀血(おけつ)と呼ばれる、血液循環の悪化によっても起こり得るとされています。
血液循環が悪くなる原因の1つとして、今回のテーマである「冷え」が挙げられます。
冷えを緩和することによって、生理不順や生理前症候群の緩和にも繋がり、結果、不妊症の改善に繋がるため、「冷え」を緩和する方法を次にお伝えします。
冷えを緩和する方法
白湯を飲む
冷えを緩和する方法として、「朝一に白湯を飲む」ことを推奨します。
朝は身体が処理する水分の吸収がよくなっています。
そのため白湯を飲むことで血液の流れを良くして、新陳代謝を高めることができます。
冷たい水はからだを冷やしやすいため、白湯を飲むようにしましょう。
白湯を飲むことでからだを温めると同時に、便通改善の効果にも期待できます。
白湯にすった生姜を入れることで更にからだが温まるので試してみてください。
また、レモンを絞って入れることでリフレッシュ効果も高まります。
からだを温めるものを食べる
生姜やにんにく、ネギ、玉ねぎ、根菜類、味噌、赤身の魚などのからだを温めるものを積極的にとりいれましょう。
コーヒーやトマトやきゅうりは身体を冷やしやすい傾向にあるため、なるべく控えいただくのが良いでしょう。
湯船に浸かる
入浴時にシャワーのみで済ませてしまうと、身体がきちんと温まりません。
シャワーのみで済ませている方は、湯船に10分ほど浸かりましょう。
全身の血液の循環がよくなり、リラックスできます。
好きな入浴剤を入れると、更にリラックス効果が期待できます。
また、塩を入れることで発汗効果も高まり、デトックスにも繋がります。
腹巻きを巻く、レッグウォーマーを履く
ノースリーブや短パンなど、肌を露出する格好だと、からだが冷えてしまいます。
冷房がきいていたり、寒い時期には、腹巻きを巻いたり、レッグウォーマーを履くと身体が温まります。
特にお腹や足元を温めるのが良いとされています。綿やコットン、麻で作られたものを使用すると尚良いでしょう。
また、生殖機能は腎臓とも深く関わっているため、腎臓付近を温めることも大切です。
腰辺りに、使い捨てカイロやよもぎカイロを試してみることもおすすめです。
よもぎ蒸しをする
よもぎ蒸しとは、よもぎなどの薬草を煎じた蒸気を下半身に当てる方法です。
専用の椅子に座り、からだを専用の布で覆い、蒸気を下から浴びることで血行促進や冷えの改善に繋がります。
またデトックス効果も期待できます。
婦人系の疾患に良いとされ、昨今注目されている方法です。
適度な運動をする
適度な運動をすることにより、血液循環が良くなり、身体も温まります。
無理のない程度にウォーキングやランニングをすると良いでしょう。
マッサージをする
血流をよくするために、お風呂上がりにマッサージを行うと良いでしょう。
その際に、自分の好きな香りのオイルやクリームでマッサージするとリラックス効果があります。
布ナプキンを使用する
実は通常のナプキンは、からだを冷やしやすいとされています。
そのため、布ナプキンを試してみると良いでしょう。通常のナプキンよりも温かく感じるはずです。
現在、布ナプキンは、多くの種類が販売されており、初めての方のためにスターターキットもあります。
「洗うのが大変」「漏れるのが心配」と考えている方も多いと思いますが、つけ置きができる上に、漏れる心配もあまりないため、おすすめです。
環境やお財布にも優しいことも魅力の1つです。
睡眠をきちんととる
睡眠不足が続くと、自律神経の乱れを起こしやすくなり、冷え性に繋がります。
できるだけ決まった時間に睡眠をとり、決まった時間に起きて、朝日を浴びることで自律神経を整えることにも繋がります。
「腎」を強くする
腎とは西洋医学における「腎臓」の働きだけを指すのではなく、東洋医学の考えにおける成長、発育、生殖に関する働きのことを示しています。
上述しましたが、生殖機能は「腎」と深い関わりがあります。
「腎」を強くするには、黒豆、わかめ、黒ごま、海苔を日頃の生活に意識して取り入れてみてください。
お酒やタバコを控える
お酒やタバコは、血液の流れを悪くし、冷えに繋がります。
特に、タバコは毛細血管が収縮し、血行不良につながるため、控えるようにこころがけましょう。
乳製品を控える
乳製品は子宮に溜まりやすく、からだを冷やしやすいと言われています。
子宮に溜まることにより、炎症が起こりやすくなり、子宮への影響が大きくなるため、なるべく控えるようにしましょう。
漢方薬をとりいれてみる
漢方薬を用いて、冷えを緩和することで不妊症に効果を発揮するものがあります。
また生理痛や生理前症候群の緩和にも繋がるため、お近くの漢方薬局で相談してみることもおすすめです。
「冷え」に効くとされる漢方
ここまで「冷え」の対策を紹介いたしましたが、漢方を用いた「冷え」対策をなされる方も増えています。
「冷え」や「不妊症」の改善のためによく用いられる漢方をご紹介しますのでご参考ください。
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
血流を良くする活血剤、血液を補う補血剤、ストレスを上手く流せるようにする理気剤などがバランスよく配合されており、血流が良くなることで、冷えが改善されます。
温経湯(うんけいとう)
生理不順や生理痛、おりものが少な過ぎる方、更年期障害、不眠、神経症、湿疹、足腰の冷え、しもやけによく使われる漢方薬です。
手足はほてるけれど、お腹が冷える方におすすめです。
血行を良くすることで冷えを緩和してくれます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力が比較的に弱めで、冷え性、貧血や疲労がある方によく使われる漢方薬です。
血行を良くしてホルモンバランスの調整をしてくれます。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
生理不順や生理痛、めまい、頭痛、肩こり、のぼせ、足の冷えによく使われる漢方薬です。
また更年期障害や子宮内膜症、筋腫、ニキビ、シミ、しもやけ、痔、打ち身、肝臓病にも使われます。
血液循環を良くして子宮の環境を整えてくれます。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
月経の異常や更年期障害など女性特有の病気によく使われる漢方薬です。
肩こり、めまい、頭痛、のぼせや発汗、イライラや不安感などにも用いられます。
気の巡りを良くして、ストレスを緩和し、ホルモンバランスを良くしてくれます。
実は男性にも不妊症があり得る
実は不妊症は、女性だけが原因となるのではなく、男性側の身体の状態によっても影響を受けます。
精子の数が少なかったり、動きが悪かったり、形に異常があることも原因の1つとされています。
男性も、お酒やタバコ、偏った食生活をなるべく控えるようにしましょう。
また、鶏ムネ肉やたまごといった良質なタンパク質を適度にとることも大切です。
なごみ堂薬局の漢方相談
今回の記事では「冷え」の改善についてご紹介いたしました。
なごみ堂薬局では皆さんの現在お悩みの症状・体質・病気の経過などを専任の担当相談員(薬剤師)が詳しくお伺いします。
しっかりとお話をお伺いすることで、お客様の現在の状態を確認し、無理なく体質改善できる方法をご説明します。
また、服用中・服用後などのご様子もお伺いし、その都度症状への不安を解決するお手伝いをいたします。
慢性的な身体の不調に悩んでいればぜひ一度お話しをお聞かせください。
まとめ
不妊症の原因の一つにもなっているとされる「冷え」を改善するには、男女ともに普段のライフスタイルや食生活が重要になっています。
上記のことを踏まえて、毎日の生活に役立ててみてください。