24Nov
40代半ばから50代にかけて、「最近ずっと疲れている」「家事も仕事もやる気が起きない」「朝から身体が重い」といった倦怠感に悩む女性が増えています。実際、更年期症状を訴える人のうち約7割が倦怠感を感じているというデータもあります。
このような症状は、年齢だけが原因ではありません。急激な女性ホルモンの低下により、脳のホルモン指令系統が乱れ、自律神経も影響を受けることで心身のバランスが崩れていくのです。
「疲れがとれない」「だるさが続く」というのは、身体からのSOS。西洋医学では対症療法が中心ですが、漢方では体質そのものを見直し、内側から整えていくことができます。
この記事では、更年期における倦怠感の原因や漢方での考え方、タイプ別の漢方処方、実際の改善事例まで詳しく解説します。
1.更年期に起こる倦怠感とは?
更年期とは50歳を境に前後5年、つまり45歳から55歳までの時期をいい、様々な体調不良を訴える方が増えます。
その中でも特に「だるい」「疲れがとれない」「やる気が出ない」「倦怠感」などの症状を訴える方が多く、更年期症状の7割に上るというデータもあります。
その要因は加齢によるものもありますが、女性ホルモンの急激な低下により、ホルモンのバランスがみだれ、それとともに自律神経のバランスがくずれ、眠れなくなる、眠りが浅いなどの症状が重なり、体調不調が増幅する要因となっています。

2.倦怠感が起こる主な原因
女性ホルモンのエストロゲンは、集中力や、やる気ホルモンといわれる、ドーパミンやセロトニンなどの脳内伝達物質を調節するはたらきがあります。
そのためエストロゲンが減少すると、やる気や集中力が減り、気分が落ち、倦怠感や不安感といった症状が出やすくなります。
また女性ホルモンの減少は自律神経のバランスを崩し、不眠や睡眠の質の低下を招き、さらなる、倦怠感や体調不良を引き起こします。
中医学では更年期による不快な症状を引き起こす原因の多くは
「腎虚」、「肝気鬱血」、「気血不足」「痰湿」が要因ととらえ、それらを改善することで、「疲れやすい」「倦怠感」「やる気が出ない」といった症状を出ないよう体質改善していきます。
3.更年期の倦怠感に漢方が向いている理由
更年期障害の一般的な治療は、ホルモン補充療法や抗うつ剤など「症状を抑える」ための治療が中心となります。これらの薬は副作用の心配もあり、敬遠される方も多いです。
エストロゲンの低下は視床下部に直接影響するため、倦怠感以外にも、不眠、ホットフラッシュ、動悸、不安感、頭痛、めまい、イライラ、など多種多様の様々な症状が発生します。
漢方薬は、多種多様な症状を総合的に改善する事を得意としています。
4.更年期の倦怠感に効果のある漢方薬の一例
| 漢方薬名 | 主な特徴 | 向いているタイプ |
| 加味逍遥散(かみしょうようさん) | イライラや不安、肩こり頭痛、情緒不安定に | ストレス・気分の浮き沈みが強い人「肝気鬱血」タイプ |
| 帰脾湯(きひとう) | 寝つきが悪く、眠りが浅い、夢をよく見る、漠然とした不安感 | 顔のほてりや下半身の冷えがある人「気血不足」タイプ |
| 知柏地黄丸(ちばくじおうがん) | ほてりや、口渇、ホットフラッシュ、多汗など。 | 血や津液不足でほてりや熱症状がある「腎虚」タイプ |
| 半夏白朮天麻湯 (はんげびゃくじゅつてんまとう) | めまいやふらつき、頭がぼーっとする、身体が重い。 | めまいなどの平衡感覚の不調が多い。「痰湿」タイプ |
| 女神散(にょしんさん) | 精神的な不調・不安感をやわらげる | 心身のバランスが乱れている人 |
これらの漢方薬を組み合わせて服用いただく事もあります。
服用の際は漢方薬専門の薬剤師に相談し服用開始してください。

5.倦怠感を軽くするための生活習慣アドバイス
●睡眠を十分にとる(夜はスマホの使用を控える、カフェインは夕方以降はとらないように心がける)
●体を冷やさない(温かい飲み物や食べ物をとり、ゆっくり湯船につかり入浴する)
●バランスの取れた食事(糖質に偏らず、たんぱく質やビタミンミネラルを充分にとる)
●軽い運動(週3~4回ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を生活習慣に取り入れる)
●「朝日を浴びる」ことでセロトニンが活性化して自律神経を整える。
6.ストレスとの上手な付き合い方
更年期の倦怠感は、ホルモンバランスの乱れだけでなく「ストレス」によっても悪化します。
心身はつながっており、ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、血流が悪くなり、体の隅々にエネルギーが届きにくくなります。その結果、だるさや無気力感が強まることも。
リラックスできる時間を意識的に作ることが大切です。
たとえば、深呼吸を取り入れたり、香りのよいお茶をゆっくり味わったり、軽いストレッチや散歩で気分を切り替えるのもおすすめです。
また、感情を抑え込まず、信頼できる人に話すことも心の負担を軽くします。
漢方では「気滞(きたい)」と呼ばれるストレスによる気の滞りを改善する処方もあり、心身両面からサポートが可能です。
7.「更年期の倦怠感」を漢方薬で改善した症例
48歳相談者
<<相談内容>>
45歳過ぎから、疲れやすくなってきたと感じた。
子供が中学生になり仕事を始めた。最初は、無理なく仕事と家事を両立できていたが、
ここ最近は仕事を終えて帰ると、ソファーに横になっていったん休まないと食事の支度ができない。
朝は起きた時から身体がだるいと感じることも多くなった。
休みの日は、やることが多いのに、ほとんど寝て、家事がはかどらずイライラする。
だるさとともに気になるのは抜け毛で、頭頂部が薄くなってきた。
枕についている抜け毛を見ると気分が滅入る。
45歳を過ぎたころから月経周期も短くなり、月に二回来ることもあり、生理中は特に身体がだるい。
<<漢方薬服用後>>
漢方薬は気血不足と考え、気血相補剤の帰脾湯を服用いただいた。
漢方薬服用から、約一か月経過で、身体が以前よりきついと思うことがなくなった。
休みの日も、たまった家事を出来るようになり、買い物に出かける気力が出てきた。
服用開始から2か月経過で、抜け毛が以前より気にならなくなった。
気が滅入ることもなくなり、以前の自分に戻れた気がするとのこと。
53歳相談者
<<相談内容>>
疲れやすい、顔のほてり、寝汗、不眠、頭痛、足のむくみなどの症状に5年前より悩まされている。
特に疲れや倦怠感は、どうにもならなく、何をするのもおっくうになる。
寝起きが特に異常に身体が重く感じる。
定期的に整体で施術をしてもらうが、むくみ頭痛は一時的によくなるが、何日かするとまたむくむ。
<<漢方薬服用後>>
漢方薬は腎陰虚、痰湿ととらえ、
知柏地黄丸と、化痰剤を服用いただいた。
漢方薬服用から一か月経過で、寝汗やほてりなどの熱症状が治まり、夜もぐっすり眠れるようになった。睡眠の質が上がったことで、朝の寝起きがよくなり、身体も軽くなった。
頭痛の回数も減り、足のむくみも以前ほど気にならなくなった。
8.まとめ|心と体を整えることで倦怠感はやわらぐ
更年期に起こる倦怠感は「年齢のせい」ではなく、身体のバランスの乱れです。
急激に減少した女性ホルモンの影響で、視床下部の指令系統がアンバランスをおこすことで、自律神経のバランスも崩れ、さらにやる気ホルモンの、ドーパミンやセロトニンが減少し、疲れや倦怠感を引き起こします。
漢方薬はホルモンや自律神経のバランスを整え根本から、体質を改善し、「疲れ」「倦怠感」などの症状とともに、その他の不快な症状も改善していきます。
漢方薬は毎日自宅で服用することで、徐々に症状の出ない身体にしていきます。
また漢方薬は生薬から作られており、身体に負担が少なく、長期服用も比較的安心です。
遠方の方は、お電話や、ラインで症状や体質などをお伺いし、漢方薬をご自宅に配送することもできます。
更年期障害の症状である「疲れ」「倦怠感」などでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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