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三叉神経痛とは?原因・症状・漢方での整え方をわかりやすく解説

 

三叉神経痛とは?顔に起こる激しい痛みの正体

「顔に電気が走るような激痛がする」「洗顔や食事のたびにビキッと痛んでつらい」……。 このような突然の、そして耐え難いお顔の痛みに悩まされていませんか?病院で「三叉神経痛(さんさしんけいつう)」と診断され、お薬を飲んでいるものの、なかなか改善しなかったり、副作用に悩んだりしている方も少なくありません。
今回は、三叉神経痛の正体から、漢方が考える痛みの原因、そして体質から見直す漢方アプローチについて詳しく解説します。
三叉神経痛とは、顔の感覚を脳に伝える「三叉神経」が何らかの原因で刺激され、激しい痛みを引き起こす疾患です。

主な症状と特徴
電気が走るような痛み: 「キリで刺されたような」「突発的にビリビリ激痛が走る」と表現される急激な痛みです。
特定の動作で誘発される: 顔を洗う、歯を磨く、食事をする、会話をする、あるいは軽く顔に触れただけで激痛が走ります。
痛む場所: 頬や顎、歯の周辺に多くみられます。「虫歯だと思って歯医者に行ったが異常がないと言われた」というケースも非常に多いです。
好発年齢: 50代以降の中高年に多く、やや女性に多い傾向があります。

 

三叉神経痛の原因とは?

上記のように、三叉神経(黄色の太線)は、脳の根元近くにある「三叉神経節」から、「第1枝」「第2枝」「第3枝」の3つの方向へ、文字通り“三また”に分かれて伸びています。
第1枝(眼神経): おでこから目の周りへ
第2枝(上顎神経): 頬(ほお)から、鼻の横、上の歯茎へ
第3枝(下顎神経): 下あご、下くちびる、下の歯茎へ
図を見ると、第2枝や第3枝が上下の歯茎まで細かく枝分かれしているのが分かると思います。そのため、実際には神経の痛みであっても「歯が痛い」と感じてしまうのです。
西洋医学において、三叉神経痛の主な原因は「血管による神経の圧迫」とされています。
脳の根元で、三叉神経に近くの血管が接触し、加齢などによって硬くなった血管がドクドクと拍動するたびに神経を刺激してしまうのです。これにより神経が過敏状態になり、ちょっとした刺激を「激痛」として脳に伝えてしまいます。
また、ストレスや疲労が溜まると神経の興奮が収まらなくなり、痛みが悪化しやすくなります。なお、検査をしても明らかな血管の圧迫が見つからない「原因不明」のケースも少なくありません。

 

三叉神経痛の一般的な治療法

病院(脳神経外科やペインクリニックなど)では、主に以下のような治療が行われます。
抗てんかん薬(カルバマゼピンなど): 神経の異常な興奮を抑える第一選択薬です。
神経ブロック注射: 神経の伝達を一時的に遮断して痛みを抑えます。
手術療法・放射線治療: 血管の圧迫を直接取り除く手術などを行います。

病院の治療でよくあるお悩み
お薬で痛みがコントロールできれば良いのですが、「薬を飲むと眠気やふらつきが強くて日常生活が送れない」「だんだん薬の効果が薄れてきて、長期服用への不安がある」という理由で、漢方薬局へご相談に来られる方がとても増えています。

 

漢方で考える三叉神経痛の原因

漢方には「不通則痛(通ぜざればすなわち痛む)」という大原則があります。これは、「体の中の流れ(気・血・水)が滞ると痛みが生じる」という意味です。
漢方では、単に神経の圧迫だけを見るのではなく、「なぜそこまで神経が過敏になっているのか」「なぜ痛みが引き起こされているのか」を体質全体から探ります。

瘀血(おけつ): 血流が滞っている状態。刺すような固定性の激痛を特徴とし、血管の硬化や循環不全が背景にあります。
気滞(きたい): ストレスにより「気(エネルギー)」の流れが滞った状態。イライラや緊張で痛みが誘発・悪化しやすくなります。
風邪(ふうじゃ): 自然界の「風」のように、突然現れてあちこちへ移動する性質を持つ邪気。顔面の神経痛を引き起こす外的な引き金になります。
湿邪(しつじゃ): 体に溜まった余分な「水分」や「湿気」が悪さをする状態です。重だるい痛みを引き起こし、水分が神経を圧迫して過敏にさせます。「雨の日の前日に痛む」「梅雨時や台風のシーズンに激しくなる」という方は、この湿邪が強く関係しています。
血虚(けっきょ): 神経や筋肉を滋養する「血(栄養)」が不足している状態。神経が過敏になり、慢性的な痛みが抜けなくなります。

 

三叉神経痛に用いられる漢方薬の一例

漢方薬名適したタイプ・症状の特徴
清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)顔面や頭部の激しい痛みに広く使われる特効薬的な漢方です。余分な「熱」を冷まし、気血を巡らせて、ピキピキとした強い神経痛を鎮めます。
釣藤散(ちょうとうさん)ストレスや高血圧傾向があり、頭痛やめまい、神経の興奮を伴うタイプに使用されます。
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)体が冷えやすく、寒さや天気の変化(湿気・湿邪)で痛みが悪化するタイプに向いています。
疎経活血湯(そけいかっけつとう)慢性的な神経痛に。血流を良くし、筋肉や関節の引きつりを和らげます。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)手足の先から芯まで冷えが強く、血流低下によって起こる激しい痛みに。
柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)ストレスや緊張、自律神経の乱れによって痛みが誘発されやすいタイプに。

※漢方薬は体質との適合(証)が極めて重要です。服用を開始される際は、必ず漢方薬専門の薬剤師に相談しましょう。

漢方薬はどのように三叉神経痛をサポートするのか

西洋医学の痛み止めが「脳へ痛みの信号が届くのをブロックする」のに対し、漢方薬は「痛みが出にくい体内環境へ整える」というアプローチを行います。

1.神経の過剰な興奮を鎮める: 高ぶった神経を落ち着かせ、過敏さを抑えます。
2.血流の改善(微小循環の改善): 顔面まわりの血流を促し、神経の圧迫や栄養不足を和らげます。
3.自律神経の調整: ストレスによる血管の収縮を防ぎ、痛みの閾値(痛みを感じるボーダーライン)を上げます。
4.冷えの改善: 体を温めることで、寒さによる神経の引きつりや痛みの再発を予防します。

これらを組み合わせることで、「痛みの頻度が減る」「痛みの強さが軽くなる」といった、再発しにくい体づくりを目指します。

 

漢方薬はどのくらいで効果が出るのか

効果の実感には、症状の期間や体質によって個人差があります。
急性・突発的な場合: 特に風邪や冷えが原因のものであれば、数日から1〜2週間で痛みの波が引いていくのを実感される方もいます。
何年も続いている慢性症状の場合: 根本的な血流改善や体質改善が必要なため、数ヶ月単位じっくり腰を据えて取り組むケースが一般的です。まずは「痛みの激しさが和らぐ」「発作の回数が減る」といった変化を目標にしていきます。

 

症例紹介|三叉神経痛の痛みが改善したケース

事例①:病院の薬の副作用(眠気)に悩んでいたA様(60代女性)

お悩み: 右頬から顎にかけて激痛があり、病院で三叉神経痛と診断され薬を処方されるも、強い眠気とふらつきで家事ができない状態。
漢方のアプローチ: 冷えが強く、ストレスを受けると顔がピキッと痛むとのこと。体を温めて血流を促す漢方と、気の巡りを良くする漢方を組み合わせてお出ししました。
経過: 服用1ヶ月目で「痛みの突き抜け感が軽くなった」とのこと。主治医と相談しながら病院のお薬を少しずつ減らすことができ、3ヶ月目には眠気からも解放され、元通りの生活を送れるようになりました。

 

事例②:歯磨きや洗顔が恐怖だったB様(50代男性)

お悩み: 朝、顔を洗う時や歯磨きの時にピリッと電気が走り、最初は医者に行ったが歯は問題ないといわれその後、内科で三叉神経痛と診断された。病院の薬を飲むとぐらっとするので、飲みたくない。
漢方のアプローチ: 肩こりがひどく、身体を温めると痛みが改善するとのことで、血流改善の活血剤や体を温める散寒剤を服用いただいた。
経過: 服用2週間ほどで、歯磨き時の「ビクッ」とする痛みの回数が半分以下に。2ヶ月が経過する頃には、朝の洗顔も怖がらずにできるようになり、表情もすっかり明るくなられました。

 

三叉神経痛を悪化させない生活習慣

漢方薬の服用とあわせて、日々の生活で以下のことに気をつけると、より痛みが起こりにくくなります。

冷え対策を徹底する: 顔に冷たい風(エアコンの直風など)が当たると、血管が収縮して痛みが走りやすくなります。冬場はもちろん、夏場の冷房対策としてストールなどを活用しましょう。冷たい飲食も避けてください。
十分な睡眠を確保する: 睡眠不足は神経を過敏にさせます。夜は脳をしっかり休めましょう。
ストレスを溜め込まない: 緊張や怒りは「気」を滞らせ、痛みを増幅させます。リラックスできる時間を意識的に作ってください。
顔を優しく扱う: 洗顔やスキンケア、髭剃りの際は、肌を強くこすらず、優しく触れるように心がけてください。

食事によるケア
毎日摂る食事も、神経の過敏さや血流に深く関係しています。以下の3つのポイントを意識してみましょう。

「噛む回数」と「食材の固さ」に気をつける: 顎を激しく動かすこと自体が、三叉神経への刺激(引き金)になります。痛みが強い時期は、おかゆやスープ、豆腐、柔らかく煮た野菜など、あまり噛まずに飲み込めるものを中心に摂り、神経を休ませてあげましょう。

温度は「人肌(ぬるめ)」が基本: キンキンに冷えた飲み物や、アツアツのスープなどは、口の中の神経を急激に刺激して激痛(発作)を誘発します。食事や飲み物は、刺激の少ない「人肌程度のぬるさ」にしてから口に運ぶのが鉄則です。

体を温め、巡りを良くする食材を選ぶ: 漢方では、体を温めて血流を促す食材や、余分な湿気を出す食材が推奨されます。
おすすめの食材: 生姜(加熱したもの)、ネギ、シナモン、黒豆、玉ねぎなど。

控えたい食材: 激辛スパイスなどの過度な刺激物、体を冷やす生野菜や冷たいジュース、お血の原因となる脂っこいものや甘いもの。

 

まとめ|三叉神経痛の改善は体質から整える

三叉神経痛の激しい痛みは、ご本人にしか分からない本当に本当につらいものです。「この痛みと一生付き合わなければいけないのか…」と絶望的な気持ちになっている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、三叉神経痛はただ「神経が圧迫されている」という局所だけの問題ではなく、体全体の血流不足、冷え、自律神経の乱れ(ストレス)などが複雑に絡み合って起こっている結果でもあります。
漢方は、その絡み合った糸を1本ずつ解きほぐし、全身のバランスを整えることで、あなた自身の「痛みに負けない体」を取り戻すお手伝いをします。
病院の治療で行き詰まっている方、お薬の量を減らしていきたい方、ぜひ一度ご相談ください。

 

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