16Dec
めまいやふらつき、不安感、不眠など、自律神経失調症が引き起こす多様な症状に悩んでいませんか?これらの症状は、自律神経のバランスが崩れることで発生します。漢方薬は、めまいの根本原因に働きかけ、体全体のバランスを整える自然な治療法として注目されています。本記事では、自律神経失調症によるめまいの原因、漢方による改善方法、そして生活習慣の見直しのポイントについて詳しく解説します。症状を改善し、健康な体を取り戻す一歩を踏み出しましょう。
Contents
1. 自律神経失調症によるめまいでお悩みではありませんか?
自律神経失調症によるめまいでお悩みの方は、意外と多いのではないでしょうか。また自律神経失調症が要因でのめまいの方は、めまい以外にも、ふらつき、不安感、不眠、動悸、イライラ、焦燥感、食欲不振、吐き気など、多種多様なお悩みを同時に感じているという事があります。
それは、自律神経が身体の様々な機能に影響しているため、自律神経失調症になると、大元が崩れてしまう事で、多くの症状が出てしまうわけです。そのため、漢方薬で自律神経を整える事で、めまい以外にも、様々な症状の改善をすることが可能です。漢方薬はめまいの症状の根本原因を改善し、めまいのおこらない体質へ導きます。
自律神経失調症によるめまいは長期化している方が多く、いつもめまいがあるという方もいらっしゃいますが、日頃はめまいがないが、何時めまい発作がおこるかわからないという方もいらっしゃいます。まためまいは気候変動に左右されやすく、気圧の変化で、悪化したり、発作がおきたり気象病の一面もあります。めまいの症状をお持ちの方は
◆外出がこわくてできない ◆運転ができない ◆家事が満足に出来ない ◆仕事に行けない、仕事に集中できない ◆学校に行けない ◆緊張するとめまいがおこるので、人前に出れない ◆飛行機や新幹線にのれない ◆旅行に行けない ◆頭を上下出来ないので、美容院で洗髪出来ない |
など日常生活に支障をきたします。
2. 自律神経失調症によるめまいの原因と症状
自律神経とは、交感神経と副交感神経の二つのことをいいます。この二つの神経がアクセルとブレーキの役割をはたして、身体の健康状態を保っています。
交感神経が優位となると、心拍数があがり動悸がしたり、血管が収縮したり、物事を考えたり、集中したり、精神的にはイライラしやすくなります。
するとブレーキ役の副交感神経がはたらき、心拍数をおさえたり、血管を拡張したり、気持ちをリラックスさせ、バランスを保ちます。
また胃腸がはたらく時は副交感神経が優位となる為、食事をして副交感神経が優位になると、気持ちがリラックスし眠くなります。食べると眠くなるのはそのためです。
この交感神経、副交感神経のバランスが崩れた状態を自律神経失調症といい、様々な症状がおこる原因となります。
交感神経が優位な状態が続くと、副交感神経がはたらかず、消化不良や、食欲不振がおこります。ストレスから胃腸障害がおこるといったことは、自律神経失調症が要因と言えます。病院で処方された消化剤を飲み、一時的に症状がおさえられても、治るという事はありません。崩れてしまった自律神経のバランスを整えることで、根本的な改善につながります。
自律神経失調症が原因でおこるめまいの原因は、ストレスなどで、交感神経が優位となると、血管が収縮し、血流が悪くなります。
血流悪化から、脳への血流不足となり、めまいがおこります。血流悪化は頭痛の原因にもなります。
また血流が悪くなると、水滞と言って身体の水の流れも悪くなり、 内耳にある、三半規管の中のリンパ液が増加することでめまいが生じます。
内耳の中の三半規管に隣接する蝸牛にも影響し 耳鳴りが生じます。 また交感神経が優位となると心拍数が上がるため動悸が起こりやすくなります。
このように自律神経のバランスが崩れることで、 めまい以外にも様々な症状が 出やすくなります。 そのため 漢方薬で大元の自律神経のバランスを整えることでめまい以外の症状の改善にもつながります。
3. 漢方による自律神経失調症の治療法
東洋医学では、 身体の構成要素を 「気」「血」「水」に分けて考えます。 この 「気」「血」「水」のバランスが整っていることで体の健康状態を保っています。
「気」は 体の生命エネルギー の ようなもの。
「血」や「水」 を巡らしたり体を温めたり 色々な外邪(ウイルスや病気)といったものから守る力です。「気虚」になると、疲れやすくなったり、細菌感染などにかかりやすくなります。「気滞」になるとイライラしやすくなったり、交感神経が優位となる為、血流悪化につながります。
「血」は身体を滋潤したり 栄養素を運んだり、 ホルモンのバランスを整える働きがあります。
「血」の流れが悪い状態を「お血」と言い、「血」が不足した状態を「血虚」と言います。
「水」は 血液以外の体にある液体を表します。
「水」が滞った状態を「水滞」や「痰湿」といいます。それが三半規管に過剰にたまる事で、めまいがおこります。身体を構成している物はほとんど水ですが、それがあるべきところに無く、偏在することで、体調不良がおこります。
例えば内耳の三半規管に偏在すれば、めまいがおこりますし、胃腸に偏在すれば、胃腸障害や、下痢、軟便などの症状がおこります。
漢方薬はこれらの「気・血・水」の流れを改善し自律神経のバランスを整える事で 身体を健康な状態へと導きます 。
「気滞」や、「お血」、「水滞」など原因は1つでも、気・血・水はお互いに、影響しあうため、気滞、お血、血虚などが同時に発生している方も多く、めまいやその他の症状を時間と共にこじらせてしまう要因となります。
自分の体質を「証」といい、その証により、漢方薬での改善処方が決まります。
「お血」の証なのか、「水滞」の証なのか、「気虚」の証なのかなどを見極めることで、改善の為の漢方薬が違ってきますので、漢方薬を服用される際は、漢方薬専門の薬剤師に相談されることをお勧めします
4. 自律神経失調症によるめまいに効くおすすめの漢方薬
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
自律神経の乱れやストレスによって起こるめまいやふらつきに効果的な漢方薬です。利水剤や、補気剤、熄風剤で構成されているため、疲れや怠さを感じる方や、身体に水をためやすく、むくみなどがある方に適しています。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
ストレスや不安、イライラなど緊張感が原因で起こるめまいに効果的です。疏肝理気剤を中心に構成されているため、心の安定を促し、気分を落ち着かせます。高血圧や、高脂血症などを持病としている方にも適しています。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血行不良や冷えが原因でめまいやふらつきが起こる場合に適しています。特に貧血や冷え性、生理不順、生理痛、更年期障害や、産後のめまいがある女性におすすめです。
苓桂朮甘湯 (りょうけいじゅつかんとう)
ストレスから胃腸障害になり、回転性のめまいを発症するようなタイプの方に効果があります。利水剤や補気剤から構成されており、となり、胃腸を整え、水はけを良くすることで、めまいを改善します。
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
利水剤や熄風剤、補血剤などがバランスよく配合されていることで、ストレスから自律神経失調症や更年期障害などになり、めまいを発症した方に適しています。イライラや、のぼせ、胃腸障害などの症状にも適しています。
5. 漢方を使った自律神経失調症の治療を始める際のポイント
自分に合った漢方薬を選ぶためには、自分の体質を知る事が大切です。現在の症状以外にも、体質や、どんな時に症状が悪化するか、どんな時に好転するかなど詳しく問診する事で自分の体質が「水滞」なのか、「お血」なのか、「気滞」なのかを見極め、その改善の為の漢方薬を服用することが大切です。そのためには漢方専門の薬剤師に相談することをお勧めします。
めまいの改善は早い方だと、漢方薬の服用開始から1週間で見られることもありますが、服用をやめてしまうと、おそらく元に戻ります。体質が改善されるまで、平均的には4〜6か月は継続して服用されることをお勧めします。
漢方薬は植物性の生薬からできており、副作用の心配が少なく、長期間安心して服用できます。
6. 自律神経失調症によるめまいを防ぐための生活習慣
ストレスのかからない生活習慣を心がけることが大切です。日中にバランスを崩した自律神経を就寝中に整える働きがあります。そのため睡眠時間を7〜8時間は確保するようにしましょう。
身体を温める生活や食事をとるようにしましょう。お風呂にゆっくりつかったり、身体を温める、食べ物や飲み物をとると、気持ちがリラックスして、血流が良くなります。血流が良くなると、酸素供給が改善され、めまいの改善につながります。身体を冷やす食べ物や飲み物は、消化管内に水をためやすくなり、胃腸障害や、めまいを誘発する原因となります。
軽い運動を取り入れストレスを上手く発散するようにしましょう。頭を動かす運動はめまいを誘発する可能性があるので、ウォーキングやストレッチなどが良いでしょう。
7. 自律神経失調症によるめまいに悩む方へ
漢方治療は根本からの改善を目指すため、めまいだけでなく、不安感や動悸、不眠、イライラ、肩こりなど体質改善が可能です。
植物性の生薬から作られる漢方薬は副作用が少なく、長期間服用しても安心です。
自律神経失調症が原因のめまいは、漢方薬専門の薬剤師に相談し、自分の体質に合った漢方薬を服用することが大切です。