23Dec
日常生活で「ふわふわするめまい」や「頭の重さ」を感じて、何も手につかない…そんな不調に悩まされている方も多いのではないでしょうか?病院で検査しても異常が見つからず、日々の生活に支障をきたしている方も少なくありません。今は様々な商品や医薬品を購入することができます。ただし、情報をしっかり選別したうえで、利用しないと効果が望めません。
実はこれらの不調は、漢方によって根本的な体質改善を図ることで、解決への糸口が見つかるかもしれません。今回は、めまいや頭重感の原因と、それに対する漢方薬の役割、さらに漢方と合わせて行うと効果的なセルフケア方法について詳しくご紹介します。長く続く不快な症状と向き合い、スッキリとした毎日を目指しましょう。
1.ふわふわめまい・頭重感に効く、漢方で自然に体質改善
めまいや、頭重感を感じて、日常生活に不安を感じている方は多いと思います。
病院で脳の検査や、耳の検査をしても、問題はなく、ただ不安な毎日を過ごしているという方も、いらっしゃいます。
めまいや頭重感がおこる原因と、その改善方法をご紹介していきたいと思います。
めまいや頭重感があると、日常生活に支障をきたします。
◆車の運転が怖くて出来ない。 ◆外出や旅行に出かけることが不安。 ◆頭重感がある事で、気分がめいる。気持ちがはれない。 ◆めまいに伴い吐き気があると、何も出来なくなる。 ◆回転性のめまいがおこると、寝ていても目が回る。 ◆起き上がる事が出来なくなる。 ◆家事が一切できなくなる。 ◆めまいが原因で学校にいく事が出来ない。 ◆頭重感があると、集中でず、仕事や勉強がはかどらない |
それ以外にも日常生活に影響を及ぼします。
めまいや頭重感がある場合、脳血管障害が疑われる場合と、体内の水分貯留によるものが考えられます。
脳血流がわるくなると、めまいや頭重感が出てきますし、頭部皮下のむくみで頭重感や頭帽感が出てきます。また耳の三半規管に水分貯留がおこると、平衡感覚が障害され、めまいが発症します。
そのため、漢方薬でこれらの原因である、血流を改善したり、水分貯留を改善していく事で、めまいや頭重感の改善をすることができます。
2.めまい・頭重感の改善に漢方が向いている理由と漢方の考え方
東洋医学では、 身体の構成要素を 「気」「血」「水」に分けて考えます。 この 「気」「血」「水」のバランスが整っていることで身体の健康状態を保っています。
「気」 体の生命エネルギー の ようなもの
「血」や「水」 を巡らしたり体を温めたり 色々な外邪(ウイルスや病気)といったものから守る力です。気の不足を「気虚」と言います。気虚になると、冷えを感じたり疲れやすくなったり、細菌感染などにかかりやすくなります。また気虚により血流や水分代謝の悪化につながる為、気虚が結果的にめまいや頭重感を発症する引き金となる可能性があります。気がうまく流れず滞った様態を「気滞」と言います。気滞になるとイライラしやすくなったり、交感神経が優位となる為、血管が収縮し血流悪化につながります。
「血」は身体を滋潤したり栄養素を運んだり、 ホルモンのバランスに影響します
「血」の流れが悪い状態を「お血」と言い、「血」が不足した状態を「血虚」と言います。お血や血虚も脳血流の悪化につながり、めまいや頭重感を引き起こしま
す。
「水」 は血液以外の液体を表します
「水」が滞った状態を「水滞」や「痰湿」といいます。水が身体の中で停滞してしまう事で、頭部皮下のむくみで頭重感を感じるようになり、内耳の三半規管に水分が停滞することで平衡感覚が障害されめまいを発症します。
このように気血水のバランスが悪くなると、めまいや頭重感を発症する原因となりま「お血」「血虚」「気虚」「気滞」「水滞」などの体質を「証」といい、その証により、漢方薬での改善処方が決まります。
「お血」の改善の漢方薬は「活血剤」
「血虚」の改善の漢方薬は「補血剤」
「気虚」の改善の漢方薬は「補気剤」
「気滞」の改善の漢方薬は「理気剤」
「水滞」の改善の漢方薬「利水剤」です。
漢方の基本的な理論である「気・血・水」のバランスを整えることでめまいや頭重感、そしてその他の症状を改善することができ、めまいや頭重感のおこらない身体に体質改善していく事ができます。
3.症状別に最適なめまい・頭重感に効く漢方を紹介
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
内耳の水分バランスの乱れによる回転性のめまいとむくみに効果的です。胃腸が弱く、身体が冷えやすく水を身体にため込みやすい方に適しています。頭部皮下のむくみをとる事で、めまいや頭重感を改善していきます。
五苓散(ごれいさん)
水分代謝の乱れが原因のむくみとめまいに効果的です。余分な水分を尿から排出し、体内の水分バランスを整えます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血行不良や冷えが原因のめまいに適した処方です。特に貧血や生理前、生理中のめまい、冷えを伴う場合に効果的です。
釣藤散(ちょうとうさん)
めまいやふらつき、頭重感があり、血圧が高く、動脈硬化症などがある方に効果的です。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
更年期障害などでイライラや、発汗、めまいや肩こり、頭重感などの症状がある方に効果があります。漢方薬でホルモンと自律神経のバランスを整え、めまいや頭重感だけでなくPMSなどの症状の改善にもつながります。
4.漢方服用の効果的な方法と注意点
漢方薬を効果的に服用するためには、自分の体質にあった漢方薬を服用することが大切です。
同じめまいという症状であっても、前述のように、「水滞」によるものなのか、「お血」によるものなのか、「気虚」によるものなのかで、効果のある漢方薬は違ってきます。
漢方薬を服用していく中で、症状の変化が現れたら、再び処方を検討する必要がありますので、漢方薬専門の薬剤師に相談しながら、服用することをお勧めします。
5.あわせて行うと効果が高まるアクションプラン
入浴・・・毎日の入浴で体を温め、血行を良くすることは、めまいや頭重の症状を緩和する助けになります。
姿勢の改善・・・姿勢の悪さが首や肩のこりを引き起こし、結果として頭重やめまいの原因になることがあります。正しい姿勢を心がけましょう。
水分管理・・・適度な水分摂取は重要ですが、飲み過ぎは水滞(身体に余分な水分が溜まること)の原因になるため注意が必要です。
適度な運動・・・血行を促進し、ストレスを解消するために、軽い運動を取り入れましょう。
生活習慣の見直し・・・自律神経が乱れると、血行や水分代謝が悪くなり、めまいや頭重の症状が悪化することがあります。毎日同じ時間に起き、規則正しい生活リズムを整えることで、自律神経を安定させましょう。
6.疑問を解決、めまい・頭重を解決するFAQ
Q病院にかかっていますが、飲みあわせはありますか?
A病院の薬を服用されていても、漢方薬の服用は可能ですが、ご相談の際にお薬手帳や、飲まれているお薬をご持参ください。
Q病院では異常なしとされ、まわりから理解されないです。どうしたらいいですか?
A気血水や、自律神経、ホルモンのバランスが崩れているために症状が出ていると思われます。
漢方薬で、身体のバランスを整えることで、改善することができます。
Q検査で異常なしなのですが、解決法はありますか?
A検査では異常が出なくても、身体のバランスが崩れて症状が出ています。
漢方薬で身体のバランスを整えることで、改善は可能です。
Q症状が長年つづいて(4年以上)つらいです。改善の方法はありますか?
Aめまいや頭重感のご相談は、長年悩んでいる方が多いです。10年以上の方でも改善されています。
7.漢方薬なごみ堂で改善した事例
事例:46歳(男性)
発症時期:4年前より
症状:ふわふわ、ふらつきのめまい。頭重感、頭痛、胃腸が弱く、お腹がはった感じがする。不安感もある。
処方後経過:漢方薬の服用開始から一か月服用でふわふわ、ふらつきのめまい。頭重感、頭痛、胃腸などが改善された。
2か月経過でほぼ症状は気にならなくなった。
現在の状態:体調良好だが、漢方薬の量を減らして予防的に服用している。
お子さんたちも遺伝的に胃腸が弱いので、体質改善として漢方薬を服用いただき改善された。
ご家族で漢方薬を服用いただいている。
事例:73歳(女性)
発症時期:60代になってからめまいや頭重感が出るようになってきた。60代は何か月かに一回の頻度でめまい発作が起きていたが、そのたび病院で点滴をして、一週間くらいでおさまっていた。
70代になると、いつもふわふわしていて、頭が重い感じがするようになってきた。発作もおさまるのに一か月以上かかるようになり、日常生活に支障が出るようになってきた。このままでは外出や旅行にも行けなくなるので、漢方薬で根本から改善したいとご相談に来られました。
処方:漢方薬は利水剤や、補気健脾剤を服用いただきました。
処方後経過:漢方薬を服用を開始してから約一か月で、めまいや頭重感がかなり改善されました。3か月経過で症状はほとんどなくなりました。もともと疲れやすく、胃腸が弱いといった症状もありましたが、倦怠感などもなくなり、食欲も出てきました。
高齢の方のめまいや頭重感は機能低下により、気虚から水滞となり、めまいや胃腸障害が出やすくなります。補気剤や、利水剤を服用いただく事で、身体の機能が高まり、身体の中の余分な水分を排出することで、めまいの出ない、健康な状態に改善することができました。
8.まとめ
めまいや頭重感は、体内の血流や水分バランスの乱れ、冷えや機能低下といったさまざまな要因で引き起こされます。漢方はこうした根本的な原因にアプローチし、体質を整えて不快な症状の再発を防ぐ効果が期待できます。また、生活習慣の見直しや適切なセルフケアを取り入れることで、漢方の効果をさらに引き出すことができます。
めまいやふらつきの原因は身体の血流や水分の流れが悪くなり、身体の機能低下に伴い発症します。血流が悪い場合は血液の流れを良くする活血剤を服用し、水分の流れが悪い場合は活血剤を服用して、身体のバランスや機能を改善し、めまいや頭重感のおこらない体に体質改善していきます。
めまいの改善の為の漢方薬は、症状や体質によって違ってきますので、服用の際には、漢方薬専門の薬剤師に相談して服用を開始しましょう。