10Dec
この記事は2015年に書いたものですが、その時の記事に処方内容や使い方などを加筆しました。
お客様に処方する漢方薬の中で
私のお気に入り処方のひとつに
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
があります。
もちろんお客様の証(体質や状態)
あっていることの前提での話ですが。
芎帰調血飲第一加減は
活血化瘀剤(かっけつかおざい)として有名ですが
(活血化瘀とは
血液の停滞を改善するもの)
活血化瘀剤以外にも
理気剤といって
自律神経のバランスを整えるもの
補気健脾剤といって
胃腸の状態を整え、体力や気力を補うもの
などの生薬が配合されることで
自律神経バランス&ホルモンバランスの両方を
整えることができるからできます。
自律神経&ホルモンバランスを整えれれば
女性にとって敵なしです。
また同じ活血作用のある田七人参(でんしちにんじん)
と組み合わせることで
子宮内膜症や卵巣膿腫の予防や改善に
服用されることもあります。
また活血化瘀剤の特性、血流を改善すること、子宮の収縮をうながす働きがある事から、
産後の悪露排出を促進する目的で服用いただく事も多いです。
産後の様々な疾患、例えば産後うつ、貧血、腰痛、倦怠感などにも効果がある為、産後の母体を健康に保つ漢方薬としてもとても優れています。
また流産は悲しい事ですが、一定の割合で起こってしまいます。流産の後に、芎帰調血飲第一加減を服用することで、
子宮の中をきれいにし、次の妊娠に向けてのホルモンバランスの改善にも効果があります。
★妊娠希望があり子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣嚢腫などがある方、
★卵管や卵巣など骨盤内に癒着がある方
★卵管癒着、卵管狭窄、卵管閉塞などがある方
★排卵が遅れがちで月経周期が長い方、
★生理痛や月経血に塊がある方
★産後、体調を崩しがちな方
★流産後、体調を整えたい方
などにおすすめです。
ただし、
子宮収縮を促すことから
妊娠がわかった時点で、服用は中止し、
補血剤、補気剤などに処方を変更します。
服用にあたっては、
自己判断せず
医師、薬剤師にご相談下さい(●´人`●)