24Mar
多嚢胞性卵巣症候群は、排卵がスムーズに行われず、生理不順や無月経、不正出血を引き起こす疾患です。不妊症の原因の1〜2割を占めると言われており、妊娠を希望する女性にとって大きな課題となっています。肥満や糖尿病も関係するともいわれており、悩む女性も多いようです。
治療法として、病院では排卵誘発剤やホルモン治療が行われますが、副作用や体への負担を考慮し、できるだけ自然な方法で改善したいという方も多くいらっしゃいます。
そこで注目されているのが漢方薬による体質改善です。
漢方では、原因を 「お血(血流の滞り)」「痰湿(老廃物の蓄積)」「気滞(ストレスによる気の巡りの悪化)」 などと捉え、これらを整えることで排卵機能を正常化し、妊娠しやすい体質へ導きます。
1.多嚢胞性卵巣症候群を知っていますか?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS:polycystic ovary syndrome)は排卵がうまくいかず、月経周期が乱れたり、無月経や、ホルモンバランスの崩れから、不正出血などがおこり、不妊症の原因の1~2割を占めると言われています。
正常な月経周期では卵巣内で数十個の卵胞が育ち始め、途中で一個の主席卵胞のみが充分に成長し排卵され、他の卵胞は成長が止まり小さくなります。
しかし多嚢胞性卵巣症候群は主席卵胞が育たず、途中で成長の止まった小さな卵胞が卵巣内にとどまってしまう状態です。
引用元:あすか製薬
多嚢胞性卵巣症候群の原因ははっきりとはわかっていませんが、ホルモンバランスの崩れや、糖代謝の異常、遺伝的要因や、ストレスなどの環境要因などが考えられます。
不妊症の相談を受けていますと、30代や20代の若い方に多嚢胞性卵巣症候群が原因と診断を受けたという方が、増えてきていると感じます。
2.多嚢胞性卵巣症候群のリスクや症状を解説
多嚢胞性卵巣症候群になると、卵胞が育たず排卵障害となる為、生理不順、無月経、不正出血、またニキビ、多毛などの症状が出やすくなります。
多嚢胞性卵巣症候群になると、主席卵胞がしっかりと育たず、その他の小さな卵胞が卵巣内にとどまる事で、排卵が遅れたり、排卵しても、良好な卵ではないことも多く、妊娠に至らない事や、妊娠しても流産してしまう場合もあります。超音波検査では卵巣内に小さな卵胞が並んで見えるので、チェーンネックレスサインと呼ぶこともあります。
多嚢胞性卵巣症候群の病院での治療は、妊娠を希望するか否かで異なります。
妊娠を希望する場合は、排卵誘発剤、糖代謝改善薬などが処方され、妊娠を希望しない場合は、ピルなどのホルモン剤で、生理周期を整えます。
最近は結婚の予定はまだないが、ホルモン剤の服用をさせたく無いために、親御さんがお嬢さんを連れてご相談に来られる方も増えています。
3.多嚢胞性卵巣症候群への漢方での改善方法
中医学では身体の構成要素を大きく「気」「血」「水」に分けて考えます。
多嚢胞性卵巣症候群に漢方薬が効く理由を漢方の仕組みから丁寧に解説します。
多嚢胞性卵巣症候群は、「お血」「痰湿」「気滞」が原因です。
「お血」簡単に言うと血流障害、血液の粘稠化。
「痰湿」はよどんだ水や老廃物。
「気滞」気のめぐりが悪い状態で、イライラや、気分の落ち込みなど。
卵巣の周りや、卵巣内に「お血」や、「痰湿」がたまる事で、卵巣の膜が固くなり排卵しにくくなります。
また、「気滞」であるストレスは、脳から出る指令系のホルモンに誤作動を与え、LHやFSHがアンバランスとなる為、多嚢胞性卵巣症候群の悪化を招きます。
4.多嚢胞性卵巣症候群へのアプローチ方法(漢方)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
活血剤、補血剤、理気剤がバランスよく配合されています。排卵障害や、排卵が遅れる方によい。
逍遙散(しょうようさん)
ストレスで生理不順や、PMSなどがある方に効果がある。
温胆湯(うんたんとう)
胃腸が弱く、ストレスに弱く不安感が強い方、痰湿を改善する働きがある。
※これらの漢方薬を服用される方の状況にあわせ、組み合わせて服用いただく事もあります。
服用される場合は、専門の薬剤師にご相談ください。
5.多嚢胞性卵巣症候群へのアプローチ方法(生活習慣)
日常生活でも実践できるアプローチ方法があるので、紹介していきます。
・食生活の改善
たんぱく質やビタミン、ミネラルを多く含む食事をとるようにしましょう。糖質に偏らない食事習慣を心がける。糖質をとり過ぎると、「痰湿」が進みます。
・適度な運動
適度な運動をすることは、血流改善になります。ウォーキングなどは下半身の筋肉を鍛えることができ、「お血」体質の改善につながります。
・ストレス管理
ストレスは多嚢胞性卵巣症候群の悪化の要因のひとつです。ストレスを受ける環境を遠ざけるようにしたり、ストレス解消の機会を作るように心がけましょう。
・良質な睡眠
良い卵子を育てる為には良質の睡眠をとる事が大切です。10時には布団に入り、7〜8時間の睡眠を確保できるよう心がけましょう。
6.多嚢胞性卵巣症候群の改善事例
◇26歳(結婚して1年経過)
もともと生理不順だったためすぐに不妊治療を始めた。
結婚する前は低用量ピルを服用して生理をおこさせていた。
ピルをやめたら不正出血が続き、病院に行くと多嚢胞性卵巣症候群と診断され、クロミッドを処方された。
クロミッドを服用しながら、タイミング指導をうけ5周期チャレンジしたが、妊娠には至らず、6周期目はクロミッドを服用しても排卵しなかった。
不安になり漢方薬を服用しながら不妊治療を行いたいとのご相談。
仕事柄ストレスがあり、ストレスが強いと生理が遅れることが多い。
また年齢的にも周りがどんどん妊娠し、焦りが出てきて不安な気持ちが強くなり、それがストレスとなり悪循環になっている。
漢方薬を服用開始から一か月後、生理前のイライラや気分の落ち込みなどがなくなり、気持ちが楽になった。
月経周期14日目で排卵がおこり基礎体温もきれいな二層になった。
漢方薬服用から3か月目で妊娠されました。
◇30歳(結婚して7年経過)
結婚してすぐに妊活をはじめタイミング療法をしていたが妊娠にいたらず、検査をしたところ多嚢胞性卵巣症候群と診断された。
卵管造影検査と、フーナーテストは問題ない。
クロミットを服用しても排卵しないことが続いた。ドリリングをして(卵巣にレーザーあるいは電気メスを用いて複数の小さい穴をあける手術)
排卵をするようになったが、月経周期が35日といつも排卵が遅れる。
ストレスを感じやすく、イライラすることや落ち込むことが多く、生理痛がひどい。
漢方薬服用開始から一か月で30日で生理が来て若干排卵が早まった。
生理痛がなくてびっくりした。
イライラすることも以前より減った。
生理予定日過ぎても生理が来ないため、婦人科にいったら妊娠判定が出た。
漢方薬服用から1か月半で妊娠されました。
遅れていた排卵がスムーズになってきて精神的にもリラックスできるようになり結果妊娠に至りました。
◇30歳
多嚢胞性卵巣症候群との診断を受け、自然排卵しないので、クロミットと注射を打っているが卵が育たず、ホルモン剤でリセットすることが多い。
病院から当帰芍薬散が処方されているが、半年飲んでも変化がない。
半年治療をしたが結果が出ないので自分にあった漢方薬を服用したいとの事。
体調は疲れやすく、浮腫み、サラサラのオリモノがいつも出ているとの事。
漢方薬服用開始から一か月で自然排卵できた。
初めてホルモン剤を使わず排卵したと喜んでいただけた。
疲れや、イライラ、生理前のだるさなども改善され、服用から4か月で妊娠されました。
なごみの不妊症体験談はこちら
7.多嚢胞性卵巣症候群で悩んだらなごみ堂
不妊症でお悩みの方の中で、大きな割合を占める多嚢胞性卵巣症候群ですが、漢方薬を服用することで、体質を改善し、妊娠しやすい体質へ導くことができます。多嚢胞性卵巣症候群は、血流が悪く、痰湿タイプという特徴があり、ストレスがなどで気のめぐりが悪くなると(気滞)悪化する要因になります。
病院で多嚢胞性卵巣症候群という診断を受け、不妊治療を続けているが妊娠に至らないという方は、自分の体質を見直し、改善することをお勧めします。
漢方薬は、毎日自宅で服用することで、体質改善できます。
遠方の方は、お電話で詳しく症状や体質などをお伺いしできれば、全国へ配送できます。
多嚢胞性卵巣症候群でお悩みの方は、是非一度ご相談ください。
最後になごみ堂の営業日と電話番号のご紹介です。
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