7Oct
めまいやふらつきでお困りではありませんか?
これらの症状は、内耳の異常やストレス、自律神経の乱れなど、複数の原因で引き起こされることがあります。
漢方薬は、根本的な体質改善を目指し、長期的な症状の緩和と予防に効果的です。
この記事では、漢方を使った改善方法や対策を詳しく紹介します。
Contents
1. はじめに:めまいでお悩みの方へ、漢方の力で解決を目指す
めまいでお悩みの方は、非常に多く、若い方だと10代から、高齢の方まで、年齢や性別関係なくおこる症状と言っていいでしょう。
めまいを発症すると、病院で医師より薬を処方してもらい治療により、一時的には改善しても、再びめまい発作がおこってしまうのではないかと、不安な日々を送っていらっしゃいます。
漢方薬でのめまいの改善は、めまいの原因を根本から改善することで、今出ているめまい症状を改善し、再発しないように、体質を改善していきます。
めまいがおこると、日常生活に支障を来たします。
◆車の運転が怖くて出来ない。
◆外出や旅行に出かけることが不安。
◆めまいに伴い吐き気があると、何も出来なくなる。
◆回転性のめまいがおこると、寝ていても目が回る。
◆起き上がる事が出来なくなる。
◆家事が一切できなくなる。
◆頭を下げるとめまいが出るので、美容院でシャンプーしてもらう事が出来ない。
◆めまいが原因で学校にいく事が出来ない。
特に女性はめまいがあっても家事や育児などは休むことが出来ず、めまいの症状を抱えながら、動かざるを得ない状況になります。
また最近お子さんで起立性調節障害と診断され、症状にめまいがあり朝起きれない、起きても、立っていられないなどで、学校にいけないといったお悩みも増えています。
2. めまいを引き起こす代表的な原因とは?
めまいの原因として考えられることは、内耳の異常、自律神経の乱れ、ストレス、血行不良、などがあげられます。
◆内耳の異常
内耳は聞こえを司る蝸牛(かぎゅう)と平衡感覚を司る、前庭で構成されており、この前庭の中にある三半規管という、管の中のリンパ液の流れを脳が感知することで、身体が今まっすぐ立っているか、斜めに傾いているかなどを、感知します。
三半規管のリンパ液が増えてしまうと、少しの揺れでも、中のリンパ液が、ぐるぐる回るので、ふらつきや、回転性のめまいがおきます。
内耳に異常があると、三半規管と蝸牛は隣接しているため、めまい以外にも耳鳴りや、耳のつまり、難聴などを伴うメニエール病になる事もあります。
◆自律神経の乱れや、ストレス
ストレスから自律神経が乱れると、交感神経が優位となり、血管が収縮して、脳の血流が悪くなり、めまいがおこる事があります。
めまいに伴い、頭痛、イライラ、肩こり、耳鳴りなどの症状もおこりやすくなります。
◆更年期障害やそれに伴う血行不良
更年期になると、体内のエストロゲンが減少するため、血行不良となり、内耳や脳の血流が阻害されて、めまいがおこりやすくなります。
◆生活習慣の乱れ
疲れがたまってくると、自律神経がバランスを崩し、血行不良や、むくみなどをおこしやすくなります。
身体に水、内耳のリンパの流れが悪くなり、めまいをおこす原因となります。
3. 漢方の考え方:めまい治療における「気・血・水」
人間の身体の構成要素を大きく3つに分けると、「気、血、水」になります。
気
大まかにいうと身体の生命エネルギーです。
身体を温めたり(温煦・おんく)
動かしたり(推動)
風邪やウイルスなどから守ったり(防御)
といった働きがあります。
気が足りなくなると気虚と言って、疲れやすくなったり、血や水が巡りにくくなり、めまいが生じる原因となる事もあります。
血
血液そのものを表し、また身体に栄養を運び、機能を潤滑にする働きがあります。
血の流れが悪い状態を「お血」
血が足りない状態を「血虚」と言います。
お血や血虚になると、ホルモンバランスがくずれ、めまいやふらつきの原因になります。
水
身体の血液以外の体液の総称です。
水が身体にたまった状態を「水滞」といい、内耳が水滞となると、めまいの原因になります。
気、血、水の3要素がスムーズに流れ、機能することで身体の健康状態を保っています。
この3要素が滞ったり、流れが悪くなることで、めまいやふらつきが生じたり、めまい以外にも、疲れや、胃腸障害、更年期障害、自律神経失調症、不眠症など、様々な病気の原因となります。
この気・血・水の流れをスムーズにする、補気剤、補血剤、理気剤、活血剤、利水剤などの漢方薬を服用することで、めまいや、めまい以外にも、様々な病気や症状の改善に導きます。
4. めまいに効く漢方薬処方:症状別のおすすめ処方
めまいに効果のある処方の一部をご紹介します。
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
胃腸を整えたり疲れを改善する補気健脾(ほきけんぴ)のはたらきの漢方薬と水滞を改善するはたらきの利水剤から構成されています。
そのため、胃腸が弱く、ストレスや疲労から、消化不良や胃腸障害などの自律神経が乱れ、めまいを発症するタイプの方に効果的です。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
身体の中に水をためやすい「水滞」タイプの方に効果があります。増えすぎた内耳の三半規管のリンパ液を血管内に吸収させて、めまいを改善します。
真武湯(しんぶとう)
足元がふわふわする、立ち眩みがする、身体のバランスがとれない、疲れやすく、むくみがあるなど、気虚や水滞がある高齢者のめまいに効果があります。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血行不良や貧血が原因のめまいに効果的な処方。産後や授乳中、更年期は血虚になる事が多く、特に冷え性やむくみを伴う場合に効果を発揮します。
釣藤散(ちょうとうさん)
頭痛や肩こりを伴うめまいに有効です。
高血圧などの持病がある方や、高脂血症の方などは、血流を促進し、めまいとともに頭痛を緩和する効果があります。
5. 漢方薬を使っためまい治療を始める前に知っておきたいこと
めまいの漢方薬を効果的に服用するためには自分に合った漢方薬を選ぶことが大切です。
そのため漢方薬専門の薬剤師に相談し、症状だけでなく、体質なども詳しく問診し適切な漢方薬を服用することが大切です。
漢方薬の効果が現れるのには、個人差があり、早い方だと、漢方薬服用開始から2~3日目から症状が改善される場合もあります。
また服用開始から1か月くらいで改善されることもあります。症状の重さや、めまいを発症してからの長さによっても、改善までの期間は違ってきます。
まためまいやふらつきは天気や気候の変動に左右されることが多いため、めまいが改善されていても低気圧が近づくと、また悪化するといったこともあります。
改善のイメージとしては良くなったり悪くなったり繰り返しながら、長期的にみると、改善され、気づくとほとんどめまいは無くなったという方が、多いと思います。
また漢方薬は生薬から出来ていますので、病院で処方される西洋薬に比べると、副作用はでにくく、長期間の服用も安心です。
6. めまいを予防するための生活習慣と漢方の相乗効果
ストレスや疲れがあると自律神経がアンバランスとなり、血行不良や、水滞によりむくみなどがおこりやすくなります。
なるべくストレスをためないように、軽い運動を行い、睡眠不足にならないよう心がけましょう。
バランスのとれた食事は体質改善の第一歩です。
身体を冷やさないようなるべく温める食材(しょうが、ニンニク、ニラなど)を積極的にとるようにしましょう。
また冷たい飲み物をいっきに飲むと、胃腸をこわし、水滞の原因となり、めまいをおこしやすくなります。
冷たい飲み物はさけて、常温か温かい飲み物をゆっくり飲むようにしましょう。
7. めまいの症状を根本から改善する漢方治療のメリット
漢方薬でのめまいの改善は、めまいを改善するだけでなく、めまいの再発を防ぐ働きもあります。
めまいだけでなく、胃腸が弱かったり、冷えや肩こり、頭痛、耳鳴りなど、随伴する症状も漢方薬を服用することで改善されます。
また漢方薬は生薬からできており、身体に優しく、長期服用しても安心して服用できます。
めまいでお悩みの方は、専門の漢方薬局で、詳しく症状や体質を相談し、自分にあった漢方薬を服用されることをお勧めします。