24Feb
「イライラすることが増えた」「急に動悸がする」「めまいや頭痛が続く」「眠れない」——これらの症状に悩んでいませんか?それは自律神経のバランスが崩れているサインかもしれません。
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで、身体や心にさまざまな不調を引き起こします。しかし、病院・クリニックで「自律神経の問題ですね」と言われても、根本的な治療法が見つからず、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
「できれば薬を使わずに改善したい」「安定剤を減らしたい」「根本から体質を整えたい」と考えている方におすすめなのが 漢方薬 でのアプローチです。漢方は、気・血・水のバランスを整え、体質を改善することで、自律神経の乱れを根本からケアすることが可能です。
この記事では、自律神経失調症の原因、症状、漢方での改善方法、具体的な症例をご紹介します。
Contents
1.自律神経失調症で悩んでいませんか?漢方による改善方法を探る
「自律神経失調症」という言葉は良く耳にするけれども、症状は様々で定義しづらく、病院にいくと、自律神経ですよ、とかたずけられてしまうといった方も多いのでは無いでしょうか。これといった治療も提案されず、心療内科やメンタルクリニックを勧められたという方もいらっしゃると思います。また心療内科などで、安定剤を処方されて、服用しているという方で、なるべくならその薬をやめたいと、思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自律神経とは交感神経と副交感神経からなり、そのバランスで、身体の機能を調整しています。
交感神経が優位になると、緊張したり、思考したり、心拍数が上がり、血管が収縮します。副交感神経が優位になると、気持ちがリラックスして、胃腸のはたらきが活発になり、眠くなります。
交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキの役割で、うまくバランスをとりながら、身体の機能を調節しています。
自律神経失調症でこのバランスが崩れると、イライラして眠れなくなったり、頭痛がしたり、めまいや動悸がしたり、胃腸の調子が悪くなったりと、様々な症状が出てきます。
漢方薬で自律神経やホルモンのバランスを整えることで、これらの症状を改善していく事が可能です。
2.自律神経失調症の症状と原因を解説
こんな症状ありませんか
◇倦怠感や疲労感がある ◇肩こりや頭痛がある ◇動悸や息切れがする ◇イライラや気分の落ち込みがある ◇焦燥感や不安感がある ◇頭がぼーっとして考えがまとまらない ◇めまいやふらつきがある ◇不眠 ◇耳鳴りがする、耳がつまった感じがする ◇冷えほてりがある ◇胃腸が弱く、下痢や便秘になりやすい ◇のどや胸のあたりがつまった感じがする ◇PMSが以前よりもひどくなった |
これらの症状は自律神経のバランスが崩れておこる症状ですが、その原因は人それぞれで、
仕事のストレスや、更年期のホルモンバランスの崩れから、自律神経のバランスが崩れておこるもの、産後のホルモンバランスの崩れからおこるものなど要因は様々です。
3 漢方の対処の仕方、「気・血・水」について解説
自律神経失調症に漢方が効く理由を漢方の仕組みから丁寧に解説します。
中医学では身体の構成要素を大きく「気」「血」「水」に分けて考えます。
◆「気」は 身体の生命エネルギー のようなもの。自律神経のバランスに影響します。
「血」や「水」 を巡らしたり、体を温めたり 色々な外邪(ウイルスや病気)といったものから守る力です。気の不足を「気虚」と言います。気虚になると、疲れやすくなったり、やる気が出ない、倦怠感といった症状が出てきます。気がうまく流れず、滞った様態を「気滞」と言います。
気滞になるとイライラや気分の落ち込み、うつ症状が出てきます。
「気滞」のうちで特に気逆とよばれる状態があり、特徴的な症状は、喉がつまった感じや、胸がつかえた感じがします。
◆「血」は身体を滋潤したり栄養素を運んだり、 ホルモンのバランスに影響します。
「血」の流れが悪い状態を「お血」と言い、「血」が不足した状態を「血虚」と言います。「お血」は血流が悪くなることから頭痛、肩こり、冷えのぼせの原因になります。
「血虚」は不眠、不安感といった精神症状を誘発します。
またホルモンバランスの崩れは自律神経のバランスの崩れにつながる為、自律神経のバランス全般に影響を与えます。
◆「水」は 血液以外の液体を表します。
「水」が滞った状態を「水滞」や「痰湿」といいます。むくみやすくなったり、冷え、胃腸障害の原因になります。また「水滞」や「痰湿」はめまいや吐き気を誘発する要因になります。
気象病のようにお天気によって、症状が悪化したり、好転する場合は、「水滞」や「痰湿」が原因となっている可能性が高いと言えます。
このように気・血・水の流れが悪くなりバランスがスムーズにとれなくなると、様々な症状が出てきます。
「お血」「血虚」「気虚」「気滞」「水滞」などの体質を「証」といい、その証により、漢方薬での改善処方が決まります。
「気」のめぐりが悪くなると、「血」のめぐりも悪くなり、「血」のめぐりが悪くなると、「水」のめぐりも悪くなる、といったように相互に影響しあっているために、「気滞」と「お血」が組み合わさっていたり、「血虚」と「水滞」が組み合わさっていたりという方がほとんどです。そのため、自分の証に合った漢方薬を服用することが、改善の鍵になってきます。
「お血」の改善の漢方薬は「活血剤」 「血虚」の改善の漢方薬は「補血剤」 「気虚」の改善の漢方薬は「補気剤」 「気滞」の改善の漢方薬は「理気剤」 「水滞」の改善の漢方薬は「利水剤」 「痰湿」の改善の漢方薬は「化痰剤」です。 |
漢方の基本的な理論である「気・血・水」のバランスを整えることで、自律神経失調症で発生する様々な症状を改善することができます。
4.自律神経失調症に効果的な漢方
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
不安感や焦燥感(あせり)、眠りが浅い、といった方に効果があります。
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
疲れているのに眠れないといった方に効果があります。
体力が低下して、心身が疲労している人の不眠の改善によく用いられます。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
理気剤の代表処方です。不安感、吐き気、のどの詰まりなどを改善する効果があります。
六君子湯 (りっくんしとう)
補気剤を中心とした処方で、胃腸が弱く疲れやすく、軟便傾向の方に効果があります。
帰脾湯 (きひとう)
補気剤と補血剤が配合された、気血双補剤です。虚弱体質で血色が悪い方に適した漢方薬です。貧血のようなめまいやふらつき、疲れて眠りたいのに眠りにつけなかったりぐっすり眠れないような不眠の症状を和らげてくれます。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
女性ホルモンのバランスの乱れによる自律神経失調症に対して効果が期待できます。
イライラしやすく、肩こりやのぼせといった症状に効果があります。
PMSなどホルモンの状態で変動する症状に適しています。
5.漢方の服用ポイントと注意点、体質改善について
自分に合った漢方薬を選ぶためには、自分の体質を知る事が大切です。特に自律神経失調症は多種多様な症状がおこり、日によって悪化したり、好転したりと症状の出方に変化があります。現在の症状以外にも、体質や、どんな時に症状が悪化するか、どんな時に好転するかなど詳しく問診する事で自分の体質が「水滞」なのか、「お血」なのか、「気滞」なのかまたは「お血」と、「気滞」が組み合わさって様々な症状が出ているのか、等を見極め、その改善の為の漢方薬を服用することが大切です。
場合によっては処方を組み合わせて服用いただく事もあります。
症状の改善は早い方だと、漢方薬の服用開始から1週間で見られることがあります。症状に変化が出た場合は、処方を随時変更した方が良い時もあります。そのため、漢方専門の薬剤師に相談しながら服用することをお勧めします。
漢方薬は植物性の生薬からできており、副作用の心配が少なく、長期間安心して服用できます。
また自律神経失調症は、生活習慣を見直すことも大切です。適度な運動はストレス発散になり、自律神経失調症に効果があります。家にこもってじっとしていると、考えもマイナス思考になります。外に出てウォーキングなどで身体を動かすことで、気がめぐりやすくなります。
6.自律神経失調症の改善事例
事例(男性)
発症時期:36歳
症状:自分で会社を始めてから、ストレスの為か体調が悪くなった。めまい、気分が沈む、のぼせ、顔のほてり、首のコリ、動悸、不安感などがある。思考がまとまらない感じがする。
処方後経過:漢方薬服用から一か月経過で、以前より、もやもやする感じがへって、頭がすっきりした感じがする。不安感もあまり感じなくなった。ほてりやのぼせも、以前より頻度が減ってきた。身体が楽になった。
現在の状態:漢方薬服用開始から3か月で、ほぼ症状はなくなった。再発予防の為、しばらくは漢方薬を継続して服用する予定。
事例(女性)
発症時期:41歳
症状:産後しばらくしてから、不安感、そわそわする感じ、喉や胸がつかえている感じがするようになった。雨の日や気圧が不安定な時は頭痛がする。夜になるのが怖い。不安になると動悸がする。一人で外出するのが怖い。安定剤を服用して、なんとかやり過ごしているが、できれば薬をやめたいと思っている。
処方後経過:漢方薬服用から一か月経過で、そわそわする感じや、不安感、胸がつかえる感じはなくなった。ご主人が夜勤がある日も、一人で不安なく過ごせるようになった。安定剤はほとんど飲んでいない。
現在の状態:不安感や動悸がすることが無くなり、一人で外出することが出来るようになった。安定剤をやめることができた。
7.まとめ 福岡で自律神経失調症の漢方を解決できるなごみ堂
自律神経失調症のお悩みはその症状が多種多様で、発症時期や、経過など、千差万別です。
そのために、解決方法が見つからず、なぜ私だけこんなに悩まなければいけないんだろうと、一人で悩みを抱えている方も多いと思います。また安定剤等を飲んでいるが、倦怠感や、眠気があり、できれば以前のように薬を飲まなくても精神的に安定している身体を取り戻したいといった、ご希望の方もいらっしゃると思います。
漢方薬を服用することで、自律神経のバランスを整え、気血水のバランスをとりながら、体質改善していく事で、様々な症状の出ない身体へと導きます。
効果的に漢方薬を取り入れる為には自分の体質に適した漢方を服用することが重要です。身体を整えることで自律神経失調症だけでなく、今後の病気の発症予防にもつながります。
自然由来の成分で作られた漢方薬は、副作用が少なく、長期間安心して服用できます。
漢方専門の薬局で相談し、自分に合った漢方薬を服用して、心身ともに健やかな身体を手にいれましょう。
最後になごみ堂の営業日と電話番号のご紹介です。
ーーなごみ堂のご案内ーー
営業日:月・火・金・土・日曜
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