31Mar
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1.これって産後うつ?産後うつに効果的な漢方薬
産後うつとは、出産後しばらくして、気分の落ち込みや、不安感や不眠、倦怠感、など、心と身体が不安定になり、それが続いてしまうといった、症状です。まじめで几帳面な方が、なりやすい傾向にあり、思ったように育児や家事がこなせなく、安定剤などの薬も、授乳中の為に飲めず、家で赤ちゃんとだけ向き合っているため、相談する相手が無く、悩みを一人で抱えてしまい、どんどん沼にはまっていくような、状態になる方も少なくありません。
女性にとって妊娠、出産、授乳、育児は身体に負担がかかり、消耗された状態です。それに加えて、なれない育児や、環境の変化が心にも大きく影響してきます。漢方薬はホルモンや自律神経のバランスを整えることが得意な分野です。また授乳中でも安心して服用できます。
日本ではお母さんの出産後のケアの事をあまり重要に考えず、赤ちゃんの成長や育児に注視しがちですが、実は中国や韓国では、産後は漢方薬を服用し、母体のケアを重要視します。
お母さんが心身ともに元気でいないと赤ちゃんのお世話もできません。
また産後のケアは、第2子や第3子を希望する女性にとって、とても大切です。
産後うつの症状
◇不眠、眠りが浅い ◇食欲が無い ◇強い不安を感じる ◇何もやる気がおこらない ◇慢性的な疲労、だるさを感じる ◇家事や育児をうまくこなせない ◇子どもをかわいいと思えない ◇自分をダメな人間と思ってしまう(自己肯定感が低い) |
2.産後うつの考えられる原因を解説
産後うつになる要因はいろいろありますが、ホルモンバランスが、妊娠中と出産後では大きく変わります。その大きな変化に身体がついていかない事が要因のひとつです。
加えて、初めての育児や、赤ちゃんのお世話、夜間の授乳や赤ちゃんの夜泣きによる夜の睡眠不足があります。
次に、妊娠出産、授乳によって、母体が消耗されることが要因です。
また、産後しばらくは、外出することが少なくなり、赤ちゃんとだけ向き合う時間が増えて、悩みや心配事を話せる機会が減って、社会と遮断された気持ちになる方もいます。
3.産後うつを改善する漢方のアプローチ(気・血・水)
産後うつに漢方で改善できる理由を丁寧に解説します。
中医学では身体の構成要素を大きく「気」「血」「水」に分けて考えます。
◆「気」は 身体の生命エネルギー のようなもの。自律神経のバランスに影響します。
「血」や「水」 を巡らしたり、体を温めたり 色々な外邪(ウイルスや病気)といったものから守る力です。気の不足を「気虚」と言います。気虚になると、疲れやすくなったり、やる気が出ない、倦怠感といった症状が出てきます。気がうまく流れず滞った様態を「気滞」と言います。気滞になるとイライラや気分の落ち込み、うつ症状が出てきます。
◆「血」は身体を滋潤したり栄養素を運んだり、 ホルモンのバランスに影響します。
「血」の流れが悪い状態を「お血」と言い、「血」が不足した状態を「血虚」と言います。産後悪露排出がうまくできないと、「お血」の原因になります。また母乳は血液から作られるため授乳によって「血虚」になります。そのため産後は「お血」や「血虚」が進んできます。特に「血虚」になると、不眠、不安感といった精神症状を誘発します。
◆「水」は 血液以外の液体を表します。
「水」が滞った状態を「水滞」や「痰湿」といいます。むくみやすくなったり、冷えの原因になります。
このように気血水の流れが悪くなりバランスがスムーズにとれなくなると、様々な症状が出てきます。
「お血」「血虚」「気虚」「気滞」「水滞」などの体質を「証」といいます。
産後うつの原因は「お血」「血虚」「気虚」が考えられます。
そのため産後うつの改善には
活血剤や、補血剤、補気剤の配合された漢方薬が効果があります。
4.産後うつの改善の為の漢方薬
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
活血剤を中心に補血剤などバランスよく配合されています。子宮収縮をうながす為、悪露排出にも効果があります。
帰脾湯(きひとう)
「補血剤」「補気剤」から構成されているため、疲れや、不安感、不眠などに効果があります。
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
イライラや不安感、考えてしまい眠れない方に効果があります。
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
疲れや貧血などの「血虚」に対して効果がある。
※これらの漢方薬を服用される方の体質にあわせ、組み合わせて服用いただく事もあります。
※服用される場合は、専門の薬剤師にご相談ください。
5.産後うつの改善事例
34歳
第2子を出産後 4週間たった頃から、不安感や焦燥感があるようになり、夜も寝れなくなった。考えがネガティブになり、人が自分の事を悪く言っているように感じるようになった。
やる気がおきず家事や育児が、思うように進まない。もともとは、几帳面で、仕事や家事をてきぱきとこなせるタイプだったので、余計に自分がダメな人間だと感じてしまう。食欲がなく、体重がへって、体力も落ちた。
漢方薬を服用開始から一か月で、気持ちが楽になった。寝れるようになり、食欲も出てきた。
その後、以前のようなネガティブ思考は減ってきて、頭の中も整理できるようになり、以前の状態に戻る事が出来た。
40歳
出産から一か月経過したころから、不安感や、イライラ、夜寝れなくなった。気持ちがふさぐようになったが、相談する相手もいなく、みんなそんなものかと、我慢していた。そんな状態が続いていましたが、産後2年たっても症状は改善せず、漢方薬を服用したいとご相談に来られました。
漢方薬服用から一か月で、眠れるようになってきた。昼寝もできるようになった。不安感やイライラもなくなり精神的に落ち着いてきた。
もっと早く漢方薬を服用すればよかったとおっしゃっていました。
6.産後うつを予防する大事さとセルフケア
※ワンオペではどうしても負担が大きくなります。ひとりで抱え込まないことが大切です。ご主人や家族に不安な気持ちを伝え、
サポートを受けましょう。家事育児を無理に頑張らないで、周囲を頼りましょう。ゆっくり入浴するなど、家族の協力を得ましょう。
※地域のサポートなどがあれば活用しましょう。
※相談できる場所を持つようにしましょう。家族やご主人、友達など、相談できる相手をもつことが大切です。
7.まとめ 漢方で、からだとこころを整える
産後うつは、出産後だれでもおこりうる病気です。「自分は友達も多く、楽観的な性格で、まさか自分が鬱になるとは思わなかった。そのことがショックで相談できずにいた。」
とおっしゃっていた方がいました。産後うつは、気持ちの問題ではなく、妊娠出産により、ホルモンバランスが急激に変化し、育児や授乳で身体が消耗される事による、病気です。
我慢することで、症状が長引いたり、症状が悪化することもあります。
なごみ堂では不安な気持ちや、不快な症状を詳しくお伺いし、改善の為の漢方薬をお選びします。産後うつの症状は、漢方薬服用開始から2週間目くらいから改善がみられることが多いです。
また授乳中も安心して服用できます。
漢方薬は、毎日自宅で服用することで、産後うつの症状を改善できます。
遠方の方は、お電話で詳しく症状や体質などをお伺いしできれば、全国へ配送できます。
産後うつでお悩みの方は、是非一度ご相談ください。
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